サイボウズ(青野慶久社長)は2月13日、2018年12月期の決算を発表した。売上高が前期比18.9%増の113億300万円と、初めて100億円を突破。営業利益は37.5%増の11億300万円という結果になった。同社は2月27日に決算内容と19年の事業戦略についての説明会を開き、青野社長は「オンプレミスのパッケージ製品販売はほぼ横ばいが続く中、サブスクリプションモデルであるクラウドサービスの伸びが近年の継続的な成長を支え、事業的にも非常に安定した状態になっている」と手応えを語った。

 クラウドサービス関連の売上高は前期比31%増で、売上高全体に占める比率は65%まで上がっているという。また、さらなる成長のための施策としては、ビジネスアプリ作成プラットフォーム「kintone」の北米市場におけるサービス強化やパートナーエコシステムの拡充など、グローバル市場への投資を加速させる方針だ。

 プロダクト別の状況を見ると、従来の主力商材である中小企業向けグループウェアの「サイボウズOffice」の累計導入企業数が6万社を突破した。単年での売り上げも3年連続で過去最高額になったという。大規模・中堅企業向けグループウェアの「Garoon」の売上高も年々増加している。注目すべきはやはりクラウドの成長だ。12年12月期の実績ではGaroonの売り上げの9割以上がオンプレミスだったが、18年12月期はクラウドの比率が5割近くまで拡大しており、19年12月期は5割を超える見込みだ。サイボウズOffice、Garoonともクラウド版の比率が高まるにつれ継続的に売り上げが伸びており、全社売上高の成長と同じ軌道を描いていると言える。

 kintoneの成長も顕著だ。18年は導入社数が1万社を超え、18年12月時点で1万1000社に達した。売上高は前期比1.5倍、導入者数も前期比1.4倍と高水準の成長を持続している。サイボウズは同日、重電大手の明電舎が7000人規模の情報共有基盤とすべく、Garoonとkintoneを採用したことを発表。kintoneプロダクトマネージャーの伊佐政隆氏は「明電舎のような大企業から小規模・零細企業までユーザー層が幅広くなってきた。大企業でも、まずは特定の部署で使ってみるスモールスタート的な導入が一般的だが、メリットを実感してもらい全社に展開していくような事例も増えてきた」と、ユーザー層や使われ方のバリエーションが広がっていることを強調する。

 さらに同社は、グローバル市場でも着実な成長を見せている。18年12月に中国での同社製品導入企業数が1000社に達したほか、kintoneに特化したビジネスを展開している米国では、kintoneユーザーが前期比60%増の270社まで拡大している。かねてよりサイボウズは、海外ではパブリッククラウドをサービス基盤として採用し、米国ではAWS(Amazon Web Services)を使う方針を示していたが、説明会ではAWS上での米国向けkintoneの提供を今夏に開始することを発表した。

 また、当初は直販を軸に米国での拡販戦略を立てていたものの、「それでは限界があることが分かったので、日本と同じようにエコシステムモードに切り替え、現在は25社のパートナーとともに活動している」(青野社長)という。伊佐氏は、「現在の米国でのパートナーはコンサル+SIを生業とするパートナーが多いが、米国は広く、それぞれのパートナーがカバーできるエリアは限られているため、パートナーの拡充は継続して進めていく」としている。(本多和幸)