NTTデータと野村総合研究所(NRI)が、それぞれ中期経営計画を発表した。NTTデータは、2021年度(22年3月期)までの3カ年で、連結売上高を約3300億円上乗せして2兆5000億円、営業利益率8%を目標に掲げる。新規のM&A(企業の合併と買収)効果を除いた既存事業の伸びだけでの達成を目指す。NRIは、M&Aなどの外部成長を加味した上で、22年度(23年3月期)までの4カ年で連結売上高を約1700億円に伸ばして6700億円超、営業利益率14%超の達成を視野に入れる。

 目標達成に向け、両社とも注視するのが海外市場である。NTTデータは、世界市場を大きく「日本・APAC(アジア太平洋地域)」「北米」「EMEA(欧州・中東・アフリカ地域)・中南米」の三つに分けて、「それぞれバランスよく成長させる」(本間洋社長)と話す。

 NTTデータの直近の海外ビジネスを俯瞰すると、世界主要10カ国のうち、英国やドイツ、スペイン、イタリアなどの8カ国で売り上げが拡大する一方、米国とフランスで思うように伸びていない。特に米国のIT市場は大きいため、カナダを含めた北米全体でどう伸ばすかがNTTデータの中計達成にとって最重要課題となる。

 昨年度(19年3月期)下期には、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の高度医療を所管している団体から、5年間で総額4億カナダドル(約320億円)の大型案件を獲得している。医療分野はNTTデータがグループに迎え入れたデルの旧サービス部門が強みとする領域で、その実績が認められた格好だ。同案件は新中計の期間に順次売り上げを計上していく予定で、重要視する北米市場でのビジネスは幸先のいいスタートとなった。

 NRIは、中計4年間のM&Aに投じる予算を500億円規模としている。これによって19年3月期に530億円だった海外売上高を23年3月期までに1000億円へと伸ばす。同社がその中核を担うと期待を寄せるのが、16年に買収したオーストラリア(豪州)のASGグループだ。すでに400億円規模の年商があり、オーストラリアでの新規M&Aも含めて600億円規模に伸ばすことで、同国ITサービス企業ランキングでトップ10入りを目指していく。

 目下のNRIの海外ビジネスの主な舞台となるオーストラリアのITサービス市場は年率4~5%と国内よりも高く、中でも「デジタルトランスフォーメーション(DX)絡みの伸びが大きい」(此本臣吾社長)と見る。一方、北米では規模よりも先進的な技術・ノウハウ、高い付加価値の知的財産を持つ企業を中心にグループに迎え入れていくことで、NRIらしい高収益ビジネスモデルの構築を急ぐ。

 また、NRIは、国内ビジネスでも中計4年間に1200億円の売上増を見込んでいる。業務プロセスの改革やビジネスモデルの変革といったDX関連のIT投資が、海外と同様に大きな伸びしろになると見ているからだ。海外M&Aにプラスして、国内外でのDXビジネスの推進による二本柱で、中計期間中は年率平均8%の売上増を目指す。(安藤章司)