デル(平手智行社長)とEMCジャパン(大塚俊彦社長)は6月4日、最大10基のGPUモジュールを搭載可能とした機械学習専用サーバー「DSS 8440」を発売した。価格は最小構成で1940万円。Dell EMCブランドで従来提供してきた汎用サーバー「PowerEdge」とは異なる用途特化型のシリーズとして展開する。

IPUにも対応する予定の「DSS 8440」

 4Uサイズのラックマウントサーバーで、NVIDIAのGPUモジュール「Tesla V100」(PCIe接続)を4枚から最大10枚搭載可能。機械学習技術を利用した大量の画像認識や自然言語処理を短時間で行うことができる。Dell EMCでは、サーバー製品の高付加価値化の戦略として、CPUが担ってきた処理の一部を、他のチップに代行させることでさらなる高速化を図る「アクセラレーテッド コンピューティング」を掲げている。当面はGPUを活用するが、今年後半には、同社も出資する英Graphcoreが提供するAI専用チップ・IPU(Intelligence Processing Unit)をDSS 8440に搭載したモデルを投入する予定。学習処理でTesla V100の2~10倍、推論処理で同100倍以上の性能が得ることができるという。
 
上原 宏
執行役員

 今回の新製品が属するDSSシリーズは、大規模データセンター向けの専用モデルで、従来国内では通信事業者などに納入実績があった。あらゆる企業・業務を対象としたPowerEdgeシリーズとは異なる位置付けの製品で、ユーザー企業ごとに個別のコンサルティングや検証を経たうえでの販売を前提としている。一部直販も行うが、デル日本法人でITインフラ事業の製品本部長を務める上原宏執行役員は「知見を持つSIerやVAR(付加価値リセラー)の方々と協業する必要性が高いと考えている」と述べ、商流はPowerEdgeと同じくパートナー経由が中心になると強調する。ただし、“簡単に売れる”商材ではないため、従来のDSSシリーズでは用意していなかった、専任の技術・販売支援チームを国内にも組織したという。

 DSSシリーズ投入の背景には、中長期的にはサーバー販売台数の大きな伸びが期待できない市場環境がある。上原執行役員は「台数が何台よりも、どれだけ価値をご提供したのかのほうが、経営指標としては正しいのではないか」と述べ、サーバー事業では販売台数を追うのではなく、高付加価値製品の提供に注力する方針を示した。(日高 彰)