アマゾンウェブサービスジャパン(AWSジャパン)は、「Amazon Web Services(AWS)」の活用の幅が広がる中で、より多様なビジネスパートナーを求めていく考えを示した。設計から開発、運用まで一貫したサービスを強みとしたり、業種に特化したシステムをAWS上に構築。あるいは地域市場に強いといった多彩なパートナーとの連携を一層強めていくことで、幅広いユーザーニーズに応えていく。

渡邉宗行 執行役員

 AWS事業の直近四半期における成長率は前年同期比で34%増えるなど、世界全体で売り上げを大きく伸ばす中、とりわけ国内ではAWSジャパンとユーザーをつなぐSIerやISV(独立系ソフト開発ベンダー)の重要度が一段と高まっている。具体的には、基幹系システムのクラウドシフトが進む状況を踏まえ、システム停止を回避する設計や運用技術に長けたパートナーや、さまざまな業種に合ったアプリケーションを提供できるパートナーをより拡充していく。

 ユーザーの裾野が広がれば広がるほど、AWSのシステム障害がユーザーのビジネスや社会経済に与える影響は大きくなる。AWSジャパンでは、障害が起きないよう努める一方で、「システム停止を回避する冗長的な設計や運用を行えるパートナーの力によって影響を最小化できる」(渡邉宗行・パートナーアライアンス統括本部執行役員)とAWSを活用したシステムの安定的な運用にはパートナーとの協業が不可欠だと話す。

 直近1年間を振り返ると、認定を取得したAWSのマネージドサービス提供パートナーにSCSKや日立システムズ、BeeX(ビーエックス)、富士ソフトの4社が新しく加わり計12社の体制になるなど、安定的な運用を行える有力パートナーを充実させるとともに、運用を専門とするパートナーとの協業も深めている。

 また、業種向けアプリケーションやシステム構築を強みとするパートナーも増やしていくことで、「業種ニーズにもきめ細かく応えていく」(同)。AWSの認定ビジネスパートナー約620社のうち、ISVやSaaSプロバイダーなどを含むテクノロジーパートナーは335社。認定パートナーではないものの、商材だけ提供しているケースもあり、こうしたエコシステムによって多彩な業種アプリケーションが供給される体制を充実。AWSでは、業務アプリケーションは原則として自前でつくらない従来からの方針に変わりはなく、パートナーとの協業によって業務アプリケーションに対するユーザーニーズに応えていく。

 新型コロナウイルスによる経済低迷でIT投資の抑制が懸念されるが、クラウドへの移行はユーザー企業にとってコスト削減につながりやすく、ビジネスパートナーにとってはリカーリング(継続的な収益)モデルの構築によって「収益の安定化を図りやすいメリットがある」と指摘。引き続きクラウド移行を推進する技術者育成や地方市場への横展開を積極的に行っていくことで成長を持続させていく考え。(安藤章司)