華為技術(ファーウェイ)は3月31日、2019年通期の業績を発表した。売上は前年比19.1%増の8588億元(約13兆3715億円)、純利益は同5.6%増の627億元(約9762億円)となり、いずれも過去最高となった。米国からの制裁を受ける中、地元・中国でビジネスを拡大し、成長を維持した。
徐直軍 副会長兼輪番会長
中国市場の売上は前年比36.2%増の5067億元となり、売上全体に占める割合は59%に上昇した。セグメント別では、端末などのコンシューマービジネスが引き続き拡大し、売上は同比34%増の4673億元に。売上に占める割合は年々上昇しており、19年は売上の半分強をコンシューマービジネスで稼ぐ構造になった。
ファーウェイは毎年売上高の10%以上を研究開発費に投資している。19年の投資額は売上の15.3%の1317億元で、前年から29.7%増えた。直近10年間の累計投資額は6000億元を突破した。全世界の研究開発の人員は9万6000人以上で、全社の社員の49%を占めている。
徐直軍(エリック・シュー)副会長兼輪番会長は同日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、記者会見をオンラインで実施し、「19年はファーウェイにとって極めて厳しい年だったが、健全な経営を行い、予算はおおむね達成した」と説明。5G事業については、グローバルで30億米ドルの売上があったとした一方、米国からの制裁が「依然として大きな影響を与えている」と述べた。
日本での5G事業については「日本がファーウェイの5Gビジネスへの参加を禁止しているとは聞いておらず、顧客や政府当局と連絡を取り合っている」とし、「日本ではこれまで、NTTドコモやKDDIとの連携はなく、4Gを中心としたソフトバンクとの連携だけだった。ソフトバンクとの連携は4Gから5Gへと続くことを期待している」と語った。(齋藤秀平)