KDDI(髙橋誠社長)とアイレット(岩永充正社長)は5月26日、米ラックスペース・ホスティングのクラウドマネージドサービスの提供を開始した。日本市場でラックスペースのサービスを提供するのは両社が初めて。また、本来ラックスペースはマルチクラウド対応のマネージドサービスを提供しているが、まずは国内第一弾のサービスとして、AWSを活用したシステムの設計・構築から保守・運用までをサポートする「Rackspace Service Blocks for AWS」をリリースした。エンタープライズITのクラウドシフトが新型コロナ禍を契機にさらに加速すると見ており、マルチクラウド対応を見据えたラインアップ拡充も視野に入れる。

アイレットの西田淳・Rackspace事業部事業部長(左)と
KDDIの内田博・サービス企画開発本部クラウドサービス企画部副部長

 サービス開始にあたっては、ラックスペースがツールやノウハウを提供。マネージドサービスの実行部隊はアイレットのエンジニアが担い、ラックスペースのサービス、ノウハウから組織風土、文化に至るまで日本にローカライズして提供する。KDDIは主にセールスを担当し、自社のネットワークサービスやクラウド基盤を組み合わせた提案も行う。アイレットはRackspace事業部を立ち上げ、専任スタッフを配置しているほか、ラックスペース側から出向しているメンバーもおり、密接に協業しながら日本市場でのビジネス立ち上げに取り組んでいるという。

 アイレットは「cloudpack」ブランドでもクラウドマネージドサービスを提供している。棲み分けとしては、cloudpackがSoE案件、Rackspace Service Blocks for AWSはパブリッククラウドを活用したSoR案件を中心に提案していく方針だが、これはあくまでも「国内では」という注釈付きだ。

 アイレットの西田淳・Rackspace事業部事業部長は「日本では認知度がまだ高くないものの、ラックスペースのサービスはグローバル市場で評価を確立している。日系企業でもCIOに外国人を採用するケースが増えたが、今回のサービスは彼らから特に大きな期待を寄せられている」と話す。グローバルではラックスペースのサービスはSoE、SoRを問わず広く活用されている実態がある。そのため、グローバル企業に対するSoEとSoRを組み合わせたデジタルトランスフォーメーション(DX)基盤の提案などでも活用の余地は大きいと見る。

 KDDIの内田博・サービス企画開発本部クラウドサービス企画部副部長も次のように説明する。「新型コロナの影響で柔軟な働き方の実現や事業継続は大きな課題として浮上したが、その先にはDXをどう実現していくかという課題がある。ラックスペースのように標準化されたメソッドで高い品質を実現するクラウドマネージドサービスを使えば、お客様はグローバルでITガバナンスを効かせた上でDXに注力する環境をつくりやすくなる」

 サービスラインアップの拡充については、近く、KDDIの自前インフラを活用したクラウドサービス「KDDIクラウドプラットフォームサービス(KCPS)」にも対応する予定だ。顧客の動向も見ながら、Azure、GCPへの対応も検討する。(本多和幸)