富士通は7月30日の決算発表に合わせて経営方針説明会をオンラインで開催し、時田隆仁社長が国内およびグローバルの体制再構築について説明した。

時田隆仁 社長

 既に発表されている通り、同社は国内事業を担う新会社「富士通Japan」を10月に発足し、富士通グループ内で準大手から中堅・中小の民需、地方自治体、医療、教育の各分野を担当する事業部門や主要子会社を統合する方針を発表している。

 この体制について時田社長は、「富士通本体はグローバルに展開するソリューションをメインとし、富士通Japanは日本独特の商慣習やレギュレーションに特化する事業体と定めた」と説明。さらに時田社長は、これまで「グループ内に“ミニ富士通”がたくさんある」という指摘があったとも話し、各子会社の事業領域が必ずしも明確ではなかったことを認めた。富士通Japanではこのわかりにくさを解消し、民間、行政、医療、教育といった業種を横断するソリューションを積極的に提供していく考えを強調した。なお、富士通エフ・アイ・ピーが富士通Japanに発足時から合流するなど、3月時点での発表より新会社への統合範囲が拡大しているが、これは元々の計画に織り込み済みで、新型コロナウイルスの影響で新会社の発足が7月から10月に延期されたため、先々に予定していた統合を発足時に実施することになったとしている。

 富士通では田中達也前社長の時代からグローバル事業体制の最適化に取り組んできたが、サービスメニューは世界の各地域ごとに独立・分断していた。今回、世界の事業体制を日本を含む六つの「リージョン(地域)」に再編し、技術やサービスの開発は本社が行い、販売や、各地域の事情に合わせたカスタマイズは各リージョンが担うというように、役割を明確化した。全社の力を結集しやすくするとともに、グローバルで統一したサービスを提供できるようにするのが狙いだ。

 また、世界8カ国に置くオフショア開発拠点「グローバルデリバリーセンター(GDC)」の稼働効率をさらに高めるため、国内のプロジェクトの現場とGDCをつなぐ「ジャパン・グローバルゲートウェイ」を設置した。国内で発生する個別要件をグローバル標準の開発プロセスに落とし込むことで、サービス提供のスピード向上につなげる。

 投資も加速させ、向こう5年間で5000~6000億円をサービス開発、企業買収や出資、高度人材獲得などに投じる計画を発表した。予算の具体的な使い道は未定だが、「特定のセグメントや地域を狙った投資は考えていない」(時田社長)といい、グローバルに波及効果のある大型投資を行っていく方針。(日高 彰)