名刺管理サービスを提供するSansan(寺田親弘社長)は10月8日、メディア向け説明会を開き、新事業としてイベント関連業務をテクノロジーで支援する「イベントテック」分野に参入すると発表した。法人向けのセミナーや展示会、カンファレンスなどのイベントを開催前から開催後までトータルで支援するソリューション群を提供する。イベントテック事業を法人向けの名刺管理サービス「Sansan」、個人向けの名刺管理アプリ「Eight」に並ぶ「第3の柱」として展開していく。

寺田親弘 社長

 同社では、イベントテック事業の開始に向けて、昨年から関連サービスを提供する企業への投資を強化してきた。これまでに、アンケートツールを提供するクリエイティブサーベイ、チケット販売や参加者情報の管理・分析などが可能なイベントプラットフォームを提供するEventHub(イベントハブ)へ出資。今年8月には書き起こしメディアを運営するログミーを子会社化している。

 さらに自社でも、法人向け名刺管理サービスのSansanと個人向けのEightに加え、Eightに広告を配信できる「Eight Ads」や、イベントの来場者登録を効率化するエントリーフォーム「Smart Entry」を提供。Smart Entry は今年9月にリリースした。Eightのオンライン名刺ユーザーであればQRコードを撮影することで、Eightのオンライン名刺がなければその場で名刺を撮影することで情報を簡単に登録することができる。

 説明会の同日には新サービスとして、法人向けセミナー管理システム「Sansan Seminar Manager」の提供を開始した。開催概要を入力するだけで「最短10分」で募集ページを作成できる機能をはじめ、AIで簡単・正確な情報入力を支援する来場者の登録フォーム、専用端末によるオフラインイベントの無人受付、オンラインセミナー(ウェビナー)の自動受付および参加/不参加を正しく把握できる機能などを備える。セミナー運営にかかわる工数やコストの削減を図れるほか、MAツールなどと連携してセミナー開催後の事業活動にも活用することができるという。

 また、Eight上にセミナーの告知ページを開設して集客し、Eightのオンライン名刺情報で参加登録も管理できるサービス「Eight ONAIR」も発表。2021年の提供開始を予定している。

 これらの出資先企業が持つサービスと、Sansanが自社開発したサービスを合わせたイベントテックのソリューションポートフォリオを用意。イベント開催前の集客や来場者の登録から、開催中のオンライン名刺を利用した交流促進、開催後のアンケートや情報発信、参加者情報の管理・活用、およびイベント全体の運営効率化までトータルにカバーする。

 現在はそれぞれ個別のソリューションとしてラインアップしているが、「ゆくゆくは統合パッケージのようなものとしても提供し、イベントを支えるテクノロジーをSansanが全方位でサポートできる姿を構想している」と寺田社長は説明。イベントテックのポートフォリオ全体で、3~5年の間に3000社程度のユーザー獲得を目指す。寺田社長は「Sansan、Eightに続くもう一つの柱としてイベントテックを成長させていきたい」と語った。(前田幸慧)