米Datadogは、「顧客体験」を重視するシステム監視ツールの開発で事業を拡大している。ビジネスのオンライン化が進むなか、エンドユーザーが快適にサービスを使うための顧客体験を容易に可視化できる点が評価され、Datadogのグローバルでの昨年度の売上高(2020年12月期)は前年度比66%増の6億346万ドル(約660億円)に達した。国内においても「世界での売上高の伸びを上回る勢い」(Datadog日本法人の国本明善・カントリーマネージャー)で推移している。

国本明善 カントリーマネージャー

 オンラインサービスの開発に際して、同社は「開発と運用、営業などの関連部門が統一した指標を共有し、継続的に改善していくことが欠かせない」(同)と考え、統合されたデータ共有プラットフォームを構築。その上にIT基盤監視、アプリケーション性能監視、ログ管理、顧客体験、ネットワーク、セキュリティといった指標を可視化するツール群を開発してきた。

 従来のIT運用に偏重したシステム監視ツールでは、システムの健全性は把握できても、肝心の顧客体験までは十分に可視化できず、開発や営業・マーケティング部門とも情報共有が不足してしまう。顧客体験にバラツキがあると「サービスを提供する企業の顧客が、気がつかないうちに離れていき、ライバル他社のサービスへ移っていくことになりかねない」と指摘する。

 直近の全世界のユーザー企業1万4200社のうち、二つ以上の機能を使うユーザーが全体の8割近くを占め、四つ以上を組み合わせて使うユーザーも増えているという。ユーザー企業は必要に応じてツールを買い足していくことで、無駄のないシステム監視体制が構築しやすくなる。

 国内のビジネスパートナーは、国本氏がカントリーマネージャーに就任した2020年1月時点では十数社だったのに対し、直近で30社近くに増えた。伊藤忠テクノソリューションズ、富士通、NTTコミュニケーションズなどの大手に加え、クラウドエース、サーバーワークス、アイレットといったクラウドインテグレーターも名を連ね、国内のユーザー数も伸びている。ビジネスパートナー支援やユーザー企業サポートを含めて日本法人の人員も倍増させ、拡大する需要に応えられるよう体制の拡充を進めていく方針だ。

 Datadogはメジャーなクラウドサービスと連携するだけでなく、オンプレミス型の既存システムについてもデータ収集用のエージェントソフトを入れてデータ収集を行えるようにしている。また、ユーザー企業先での活用のみならず、ビジネスパートナーが顧客企業向けのマネージドサービスの監視ツールとして取り入れるケースも増加。「システム販売のみならず、マネージドサービスを手掛けるビジネスパートナーとの連携も深めていく」と、国本カントリーマネージャーは話す。(安藤章司)