オービックビジネスコンサルタント(OBC)は10月13日、パートナー向けのイベント「OBCパートナーカンファレンス2021」で、パートナーのデジタルマーケティング施策を後押しする新しい支援策を発表した。デジタルで顧客接点を強化しながらビジネス機会を創出し、パートナーが得意とするリアルの営業活動につなげていくことが狙い。
OBCが新しい支援策を打ち出した背景には、コロナ禍でパートナーのビジネス環境が変化していることがある。OBCによると、パートナーは、これまで対面を主軸にビジネスを進めてきたが、ITの導入・検討のプロセスはデジタル化が進み、顧客との対面の接点が減少している。また、市場で業務のデジタル化に向けた動きが広がる中、それに合わせて業務システムのリプレース需要が活性化つつあり、新規顧客の獲得にはデジタルテクノロジーを活用した提案手法の重要性が増している。
こうした状況を受け、OBCは、今後もパートナービジネスを拡大していくためには、デジタルとリアルを組み合わせた仕組みが必要と判断。制度改正のポイントをはじめとする情報提供のネタ作りやメール配信、フォローアップの準備など、パートナーが顧客とのデジタルな接点を強化するためのプロセスを網羅的に支援することを決めた。
新しい支援策では、OBCが過去2年間で実践し、効果があった取り組みなどをまとめた動画に加え、パートナーが定期配信で活用できる業務系のデジタルコンテンツ、メールテンプレートとリーフレット、ランディングページ素材を揃えたツールセット、製品や業務に関する学習機会、セミナーコンテンツなどを用意した。
パートナーには、テーマごとのフレームワークとして提供する。すでに労務管理と年末調整、キャッシュレスの各テーマは提供しており、この日から勤怠管理も利用が可能になった。今後、改正電子帳簿保存法対応や人事労務ペーパーレス化のテーマについても順次提供する。
OBCは昨年から、コンテンツの提供を中心にパートナーのデジタルマーケティングの支援に注力してきた。しかし、パートナーから「業務につながる即効性のあるものを提供してほしい」「OBCが提供する範囲を大きくしてほしい」といった要望が寄せられたため、改めて支援の枠組みを構築した。
和田成史 社長
和田成史社長は「パートナーにとっては、手間やコストが圧縮できるほか、ノウハウがなくてもデジタルの取り組みを進められるようになる。パートナーセールスのプロセスについて、イノベーションを起こすことができる」と話した。(齋藤秀平)