プロシップは、主力商材の固定資産管理ソフト「ProPlusシリーズ」の工事精算システム「ProPlus Smart」の本年度(2023年3月期)の問い合わせ件数が、前年度比1.5倍で推移していることを明らかにした。大規模な小売店舗や工場、プラントなどを建設するときに大量に発生する工事明細書をAI-OCRで読み取り、一般的な経費扱いなのか、固定資産への計上が必要なのか、などを分類するもので、「ニッチなツールではあるが底堅い需要があり、かつ従来になかった商材」(大河原洋平・システム営業本部営業1部マネージャー)であることから販売が伸びているという。
大河原洋平 マネージャー
固定資産に計上する前段階の工事明細書の処理は、これまで紙やPDFで送られてきた明細書を手作業で表計算ソフトに入力し、分類した上で固定資産管理のProPlusシリーズに受け渡すことが多かった。大規模小売店や複数の飲食チェーン店の同時立ち上げなど、工事の規模や件数が大きくなればなるほど人手と時間がかかり、作業効率が悪いことが課題だった。
そこで、AI-OCRで工事明細書をデジタル化し、分類する工事精算システムProPlus Smartの初期バージョンを19年12月に投入。以来、機能改善を続けて販売してきたところ、コロナ禍をきっかけとするリモートワークへの対応や業務のデジタル化需要の高まりから引き合いが増加。「本年度の重点商材の一つとして販売に力を入れていく」ことで商談を加速している。本年度中をめどに新しい機能強化を行う予定で、今後も製品機能や完成度を高め、向こう3年で累計100社への納入を目指す。
現在は直販がメインを占めるが、ProPlusシリーズの販売パートナーにも積極的に取り扱ってもらうよう働きかけるとともに、他のProPlusシリーズ商材と同様、海外市場への展開も視野に入れている。
(安藤章司)