セールスフォース・ジャパンは9月7日、中小企業向けソリューション「Salesforce 中小企業向けDXお悩み解決パック」の提供を始めた。これまでに培った知見を生かして「営業」と「組織」をテーマに計10個の典型的な課題を抽出し、各課題の解決に役立つ個別の製品をパッケージ化しているのが特徴だ。
営業の課題は、売上予測と営業育成、案件獲得、新規開拓、予実管理で、一方の組織の課題は、解約防止と組織力強化、会議改革、問い合わせ削減、ペーパーレス。新型コロナ禍を機に、中小企業はDXの実現に向けて動き出しているものの、「何から始めたらいいか分からない」との声が多くあり、具体的な課題を起点としたソリューションを提供することでニーズが取り込めると判断した。
安田大佑 常務執行役員
例えば、売上予測では、最新鋭の営業マネジメントの実現を目的に設定。営業支援と顧客管理の機能を提供する「Sales Cloud」と、営業向けのアナリティクス機能を提供する「Revenue Intelligence」をセットで導入することで、予測精度の向上やPDCAのスピードアップにつなげられるとしている。
常務執行役員の安田大佑・コマーシャル営業統括本部統括本部長は、直近の約2カ月、インサイドセールスでテスト提案を実施したところ、従来に比べて高い確率で案件化し、商談が進んだと説明。「お客様にとっては、課題が明確になっているほうが、ソリューションでできることが伝わりやすい」と手応えを示した。
同社は、中小企業をソリューションの主なターゲットにしているが、大企業の部門での利用も想定している。今後、課題の数を増やしていく方針で、業種や業界に特化したパッケージなどの開発も検討している。
現在、一部のパッケージではパートナーのソリューションを組み合わせて提供することが可能だ。藤本幸祐・ソリューション・エンジニアリング統括本部コマーシャルソリューション本部ディレクターは「われわれの製品だけで、お客様の課題を全て解決することは難しいので、パートナーの協力を得ながら、組み合わせることができるソリューションの数をどんどん増やしていきたい」と語った。
(齋藤秀平)