パッケージ販売では限界がある。サーバーと組み合わせた「サービス課金」の収益形態に切り替えなければ、先が見えない――。
「まいとーくFAX」のインターコムが抱える大きな課題と向き合い、打開策を模索する須藤さん。
「会社の方針は、パッケージ売りを残すこと。でも私は違う。映像や音声によるコミュニケーションの価値は、サービスにある。ソフト単体の閉じた世界では広がらない」
高橋啓介社長は、「おまえに任せる」と言い放つ。
18年前、入社する時のことだ。
高橋「うちは儲かっているよ。君、血液型は何型?」
須藤「O型です」
高橋「ぼくはO型が好きだ」
即決で採用だった。
「創業間もないベンチャーで、とにかく人が欲しかったんでしょう。仮に私がA型だと答えても、『ぼくはA型が好だ』と返ってきたに違いない」
今年6月で創業20周年になる。部長席の隣に陣取り、持論の「サービス課金」の仕組みを小一時間力説。その後は社外に出て、技術やアイデアを探して歩く。競合他社にも足を運ぶ。
「すでにもっている技術をつなぎ合わせるのではなく、顧客の求めるサービスを実現するために、何が必要なのかを考える」
“自分発”の意識改革は、まだ始まったばかりだ。
プロフィール
(すどう みなこ)1962年5月、東京生まれ。84年、通信ソフト開発のインターコム入社。95年、台湾インターコムでビデオ関連ソフトの企画営業を担当。01年11月、帰国し国内の企画営業を担当。新製品の企画と販売を研究中。