小学5年生のとき、理科室にあったパソコンを初めて触った。マニュアルを読みながらプログラムを書き、音を作ってみたり、ゲームを作ったりしているうちに自然とパソコンに親しんでいった。大学在学中、当時はまだ限られた人だけがインターネットを使っていた時代に、子どもの頃から自然に身についていた技術が認められ、IT業界でアルバイトを始めた。そのなかでウェブビジネスの可能性を確信し、大学在学中の19歳で起業。寝食を忘れて熱中した。床で寝ていたこともある。「とにかく、目の前にあるものをこなしてきた」。ウェブクリエイターの草分けの1人といわれる。
「斬新さやデザインを重視してコンテンツを作っても意味がない」。年齢層や性別などを分析したうえで、いろいろな切り口で企画する。顧客の要望を最大限に生かすため、十分に理解してよりよい提案がカギという。ウェブビジネスに関わることはコンサルティングから手掛けることがクリアキューブのスタイルだ。顧客と信頼関係を築いて両者が満足できる仕事ができるのは、社員が互いのことを知って信頼しあう関係であるからこそ。
「最終的な責任は私がとるが、社長と社員という一線を引いた上下関係は存在しない」。ときには社内で料理をすることも。そんな家族のような関係を大切にする。「いい仕事をするために、一番大切なのは社員」
プロフィール
有馬 あきこ
(ありま あきこ)1975年生まれ。19才でウェブ関連会社を立ち上げる。学習院大学文学部中退。01年、クリアキューブを立ち上げる。携帯電話で毎日4コマ漫画を読むことができる「携帯4コマ.com」など自社事業のほか、国会図書館、ハウステンボスなど今までに100以上のウェブサイト構築をてがける。ウェブ関連の書籍、雑誌の記事も多数執筆。