国内パソコン市場は、2000年の全盛期に起こった“出せば売れる”というムーブメントが過ぎ去り、多様化した顧客ニーズに応えた製品でなければ、市場が受け入れてくれない状況になった。各メーカーとも、パソコン初級者向けに「エントリーモデル」、と上級者向けには「ハイエンドモデル」と、ニーズに合った製品を提供しようと躍起だ。
そんななか、今年6月設立のベンチャー企業、アビーは“クリエイター向け”という、パソコン上級者をさらに細分化したユーザー向けの製品開発に力を注いでいる。
この製品戦略は、代表取締役である坂口信貴氏の「こだわりの製品を開発する」というコンセプトから生まれたもの。第1弾製品として、来年の早い段階でPCケースを発売する予定だ。
パソコン市場の成熟については、「ユーザーが求めるものと、メーカーが求めるものに違いが生じていることで起こったのではないか」とみている。ユーザーニーズに合った製品と売れる製品に差が開き始めているのだ。
「ユーザー層を細かく分類して、そのユーザーが求める製品を提供すれば、売れることにもつながる」
第1弾製品の販売が軌道に乗れば、次はパソコン本体を市場に投入する。今は、クリエイターという分類で製品開発を進めているが、ウェブによるBTO(受注生産方式)ではなく、量販店ルートを活用した「1人にフォーカスする製品を販売する」ことが究極の目標だ。
プロフィール
坂口 信貴
(さかぐち のぶき)1974年、群馬県桐生市出身。98年、パソコンおよび関連機器メーカーのソルダムに創業から参加。取締役企画室長として業界初のアルミPCケース、光学カラードライブ、キューブタイプPCなどの立ち上げに参画。04年、アビーを設立し、代表取締役に就任。現在は、ハイエンドユーザーで特にクリエイターにフォーカスしたパソコンおよび関連機器の開発を進めている。