「50歳までには会社の経営に関わりたい」と強く願っていた。35歳でマサチューセッツ工科大学のビジネススクールに学んだことが転機になった、と振り返る。米国から戻って、堀紘一氏が率いるドリームインキュベータに出向。「経営に近づくには、むしろいいチャンスだと思った」という。「NTTにいても、50歳で経営陣に加わることは無理」と、NTTを退社。ITベンチャーなどのコンサルティングに関わるうちに、さらに会社経営への思いを強くしていったという。
アイピーフレックスは、ドリームインキュベータ時代に担当した半導体開発ベンチャー。コンサルタントの立場から3年間応援し続けた。「ダイナミック・リコンフィギュアラブル・プロセッサというアイデアを必ず成功させたい」という信念から、創業者で現在副社長を務める佐藤友美氏から、社長就任を懇請されて決断。「50歳までに会社経営」を実現した。
ただ、外から応援しているのと社長の立場は違う。「社員の顔が見えていなかった」と反省。社員1人ひとりと意見をぶつけ合い、モチベーションを高めていく。人間の体も、伸び盛りでは骨が痛むことがある。「ベンチャーも一緒。伸びていく間には、意見が合わない仲間も出てくる」と淡々と語る。
ダイナミック・リコンフィギュアラブル・プロセッサの事業化のステップを着実に踏んでいる。「米国でのマーケティングも開始。デザインインのメドが立てば米国に拠点を置く」計画だ。
プロフィール
萩島 功一
(はぎしま こういち)1956年、栃木県生まれ。78年、東北大学工学部通信工学科卒。同年NTT入社。NTTで技術調査部担当課長、国際事業部担当部長、NTTアメリカ副社長、情報流通基盤研究所主幹研究員などを歴任。92年、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営学部修士修了。01年、ドリームインキュベータ出向。02年、NTTを退社しドリームインキュベータ入社。アイピーフレックス取締役。ドリームインキュベータ取締役。03年、ドリームインキュベータ退社。04年2月、アイピーフレックス代表取締役社長兼CEO就任。