難しいネットワーク用語を使いつつも、誰でも分かるように説明できる。タンバーグは世界トップの「ビデオ会議システム」ベンダーだが、国内ではポリコム、ソニーに次ぐ3番手だ。
「製品力は突出している。これをどう日本の習慣に浸透させるソリューションとして描けるかがカギ」。製品に自信をもちながら、どんな分野に利用できるかを日夜考えている。
学生時代は数学に打ち込み、米国の大学に留学して極めるまでになった。「人間の頭で考えてできないことがある」と、今は、数学的な思考をフル回転させ、自社製品を生かしたビジネスシーンを描き出そうと必死になっている。
前職のNECでは「光伝送」の開発やIP関連の事業に携わった。その時に「VoIPが普及すれば、いろんなことができる」と、音声・映像のIP化に関心を抱いたという。そこで、日本市場では普及途上の「ビデオ会議システム」に着目し、「弾はある。箱売りでなく、日本独自のソリューションが作れるはず」と、自らの手で新機軸を生み出せることに魅力を感じて転身した。
画面を通じて会話すれば、意思疎通がよりスムーズにできるシーンは無限にある。音と映像のやり取りができ、考えれば考えるほどにアイデアが生まれるそうだ。NEC時代とは異なり、SIerなどでなく、「畑違いの人たちと、いろいろ組める可能性が高く、それが楽しみ」。この前向きな姿勢こそが、成功の扉を開くことにつながりそうである。
プロフィール
中村 昌弘
(なかむら まさひろ)1969年9月、東京・立川市生まれ。93年3月、東京電機大学を卒業。その後、フロリダ大学大学院に留学し、96年に卒業した。97年1月、NEC入社。「光伝送システム」の開発事業部に着任。同社ではこのほか、ネットワーク機器を利用したソリューションをつくりだしていた。04年12月、「ビデオ会議システム」の世界トップベンダーの日本法人、日本タンバーグに入社。趣味は、ジャズ鑑賞。