キング・テックの事業の一つ、「サードパーティーメンテナンス(TPM)」を手がける。古いテープは新しいテープとは互換性がないため、修理して使い続ける必要がある。TPMは需要がある一方で競合は少ない。高橋部長は技術部でこのTPM事業にかかわる。
高校を卒業後、家電製品販売店での営業を経て技術畑を歩み始めた。転職した先の周辺機器メーカーでは設計、開発、修理などすべての工程に携わっていたが、やがて会社と折り合いが悪くなり、退職。「ITとは縁を切る」と腹に決め、開業資金が少なくて済むことから、焼き鳥店のフランチャイズチェーン本部の門を叩いた。
「面接寸前までいった」そんな時、退職の挨拶状を送っていたストレージ機器販売会社の専務から「きてほしい」と誘われ、オリジナルのRAID装置の開発・メンテナンスに携わるようになった。現在勤めるキング・テックの王社長との出会いは当初、取引を通じてだった。RAIDで必要な部品をキング・テックで仕入れるうち、その人柄に触れ、「よく電話するほど仲良くなった」と振り返る。
高橋部長が在籍したストレージ機器販売会社はテープを修理する技術を持っていた。このテープが修理できる技術はキング・テックにとって魅力だったようだ。05年、王社長から声をかけられたのをきっかけに、キング・テックに入社。大手企業の受注が多いTPM事業。今後は「さらに幅広い企業に間口を広げることに注力したい」と意気込む。
プロフィール
高橋 健二
(たかはし けんじ)1965年神奈川県生まれ。83年藤嶺学園藤沢高校電気科を卒業後、家電製品販売会社に入社。営業を経て、製品のメンテナンスに従事する。89年記憶装置などのコンピュータ周辺機器の製造販売会社に入社し、製品開発、設計、企画、製造、販売、メンテナンスなどすべての仕事に携わる。97年ストレージ機器を販売するシステムマネージメントに入社。05年キング・テック入社。テープデバイス機器のトータルメンテナンスの実現に挑戦している。