2012年、クラウド型のメールマーケティングサービスを提供する米国のITベンダー、Benchmark Internet Groupが日本に上陸した。数多くの競合がひしめく市場の開拓を任されているのが、ベンチマークジャパンのカントリーマネージャーである林良亮だ。
「さまざまなバックグラウンドをもつ人と話すのが好き」という林。学生時代、米国の大学に1年間留学し、異文化に触れた。大学卒業後は、レンタルビデオ店向けPPT(出来高払い制によるビデオレンタル流通システム)事業の最大手だったレントラックジャパンに入社した。映画が好きだったし、「『とりあえずは、日本企業で日本の文化、慣習を学べ』と大学の先輩にアドバイスされた」からだという。
仕事は楽しんでいたが、英語を使う機会がないことに物足りなさを感じるようになった。そこで、一念発起して渡米。カリフォルニア大学サンディエゴ校のビジネスマネジメントを修了した。米国で転職先を探し、10社程度からオファーがあったが、すべてが日系企業。「わざわざ米国にまで行ったのに、日系企業に転職したいという気持ちはなかった」。
高い成長性、米国企業、日本人がいない──。これが林が定めた転職の基準だった。Benchmarkはほぼすべてに合致した。グローバルで3万7000以上のユーザーを抱え、「社長のカート・ケラーは素晴らしい人物。社員を大切にする文化に魅力を感じた」。
日本の中小・零細企業の多くは、メールマーケティングができていない。ツールの使い方がわからない、時間がないといった理由からだ。低価格で、すぐに使えることを売りに、「マーケットを広げていきたい」と意気込む。(文中敬称略)
プロフィール
林 良亮
林 良亮(はやし りょうすけ)
1982年1月生まれ。大学卒業後、2005年にレントラックジャパン入社。2007年、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に出向。その後、渡米してカリフォルニア大学サンディエゴ校ビジネスマネジメントを修了。2011年4月、Benchmark Internet Groupに入社し、ジャパンカントリーマネージャーに就任。