「デルのパソコンの調子が悪い」──。Twitterでそんなことをつぶやけば、テクニカルサポートの公式アカウントから、「どうしました? どんな不具合ですか?」と即座にコンタクトがある。個人向け、法人向けを問わず、すべてのデル製品を対象にして、Twitterの「中の人」として一人で対応しているのが、安達真奈美だ。手が足りなくなるときはないのかとたずねると、「そこは気合いと根性。とにかくまず5分以内には必ず一度返信して、同時進行でフィックスを目指す。何とかなるもんです」との答え。いかにもパワフルだ。
安達は現在の任に就いてからの1年半で、デルのソーシャルメディアでの活動に大きな変革をもたらした。Twitterの公式アカウント自体は2010年に開設していたが、ユーザーとの双方向のやり取りはほぼゼロ。しかし、安達が持ち込んだ「カジュアルコミュニケーション」により、フォロワー数は1400から6000に急増し、公式アカウント経由のFAQサイト閲覧数も飛躍的に増えた。「ソーシャルの長所は、自由度が高くてお客様の率直な声が聞けるところ。だから、自分自身のキャラクターを前面に出して、とにかくお客様と同じ目線でコミュニケーションすることに重きを置いた。近所のパソコンに詳しいお姉さんのイメージかな」と笑う。飾らず、明るく真摯なコミュニケーションは、多くのファンを生み出した。さらに、食品メーカーや電機メーカーなど、異業種の公式アカウントとの交流も活発に行い、これがデルの顧客接点を大幅に拡大することにつながった。
「知識は宝。それをシェアすることで一人でも多くの人を笑顔にしたい」という安達にとって、前職の塾経営も、ITのサポートも、モチベーションは共通。今日もアクティブにネット上を走り回り、デルと自身のファンを増やし続けている。(文中敬称略)
プロフィール
安達 真奈美
安達 真奈美(あだち まなみ)
大学を卒業して、約6年間にわたって中高生向けの進学塾を経営し、200人を超える生徒の進学をサポートした。デルに入社後は、法人向けのテクニカルサポート部門に配属。2013年6月にソーシャルメディアの運用を担うグローバル組織であるソーシャルメディア&コミュニティ(SMaC)チームに異動。デル日本法人のソーシャルメディア担当として、Twitter(公式アカウント=DellCaresPRO_JP)を通じたアクティブサポートに従事している。