父親が経営するMCEAホールデイングス傘下の中堅SIerアスノシステムの社長を任されることになった齋藤武育。“社長1年生”が掲げるモットーは「失敗できる組織」である。
 
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 齋藤は、外資系大手コンピュータメーカーで社会人としての一歩を踏み出した。ある失敗が原因で、どうにも仕事に身が入らないとき、「おまえ、そんなことでどうするのか!」との職場の先輩の一喝が不思議と腑に落ちた。風通しのいい職場で、ふだんから先輩と心を通わせていたからこそ深く心に響く。心を閉じた状態では、どんな言葉も響かないことが、このときよく理解できた。

 これをきっかけにメキメキと実力を伸ばし、プロジェクトマネージャーを任させるまでになる。ダウナー状態からの復活劇は、「今思い出しても、やばい、涙がこぼれそう」と、思わず目頭を押さえる。案外涙もろい社長だ。社会人になりたての記憶が、社長1年生の今とだぶってみえる。

 アスノシステムはユニークな特徴をもつSIerだ。独自に開発した会議室検索サービス「会議室.COM」は、全国でトップシェアを誇る。だが、ユニークな独自サービスであればあるほど試行錯誤のなかで生みだされることが多い。だからこそ、「失敗から学べる組織が、次の時代を切り開く独自性豊かなサービスを生み出す土壌になる」と話す。

 「失敗してもいい。ふだんから人間関係がしっかりできた職場なら、お互いに支え合って多くを学び取れるはず」。寛容さや多様さを受け入れられる職場づくりを心がけることで、「他社にはない特色あるサービスの創出につなげいきたい」と、齋藤はにこやかに話す。(敬称略)