インドで生まれたジャスミーン パテルは、日本の技術力に憧れ、「いつか日本に行きたい」と思っていた。きっかけになったのは、子どもの頃に遊んでいた磁石。同じ極が反発する性質が日本のリニアモーターカーに活用されているのを知り、「すごい国だ」と大きな衝撃を受けた。
インドで信号処理の修士号を取得した後、憧れの日本で働く道を選んだ。来日したのは、ウフルへの入社を控えた2016年8月。インドから出るのは初めての経験。街の静かさや人の優しさなど、日本のすべてが新鮮に映った。
ウフルでは、機械学習のエンジニアとして、IoT向けプラットフォーム開発の一翼を担っている。好きな言葉は、「日々の積み重ねが成功をもたらす」を意味する「take small steps everyday」。常に100%のクオリティを目指し、コツコツと業務にあたっている。
日課は毎朝のシャワーで、「しっかり働くうえで絶対に欠かせない」と力を込めて話す。業界の動きの速さに置いていかれないよう、休日も机に向かい、読書やインターネットを駆使して、最新の知識を蓄えている。
体調管理のために、運動や瞑想、ヨガを生活に取り入れている。料理が趣味で、ほぼ毎日、手製の弁当を会社に持参する。日本語はまだ十分にわからないが、「よろしく」の響きがお気に入りだ。
「日本人は全員、理系に精通していると思っていたが、実際は違った」と、日本の現実に戸惑うこともある。それでも、日々の暮らしには満足しており、「日本に来て、とてもよかったと思っている」と笑顔をみせる。
今後、しばらくは日本で経験を積み、将来はディープラーニングのエキスパートになってインドで活躍したいと考えている。幼い頃からの夢を叶えたジャスミーンは、すでに新たな夢に向けて走り出している。(敬称略)
プロフィール
ジャスミーン パテル
(Jasmeen Patel)
1991年7月生まれ。「ピンクシティ」として知られるインド北部の都市ジャイプール出身。インド工科大学デリー校で修士課程を修了。専攻は信号処理。2016年9月にウフルに入社し、データサイエンス部門で機械学習やデータ分析を担当している。