新卒でリクルートに入社し、人事系の部署に配属される。しかし、早々に興味のあった新規事業開発部門へ異動願いを出したことが、自身の得意分野となる事業開発のキャリアが始まる端緒となった。モバイルのメディアを立ち上げたときは、24歳の若さでメディアとしての最終責任をもった。転職先のソフトバンクのグループ会社では社長の「右腕」として、事業会社の立ち上げからプロジェクトマネジメントまで担当。経営状況の把握やそれにもとづく判断の仕方を学んだ。
2013年から現職。「アイデアとしてあるものを、いかにリソースを活用して、協力者を募り、最大限の成果を出せるか。この発想は常に強く意識しているし、得意なところ」と話す。また、リクルート時代に事業開発を経験したことから、ヘルスケアには思い入れがある。「健康管理の観点で、今までには測れなかったような新しいデータを使う技術が研究されている。時間はかかるかもしれないが、新たなステージで健康情報を活用することにチャレンジしたい」。事業開発という得意分野で、会社の成長に力を入れる。
自分の意見や考えをはっきりと主張するタイプ。学生時代は、いつもの仲間と固まって行動するクラスメイトたちと価値観が違うことに悩み、まわりと協調していくことが得意ではなかった。しかし、社会人となってからは、自分で考え動き、世代の異なる人からフィードバックをもらうことで、さまざまな気づきを得た。「ビジネスという実践の場があるというのが、自分にとってポジティブな環境だった。自分の気の強さや考え方が、仕事で生かされている。仕事を得たことで、自分自身を理解できた」と分析。こう語ると暗い性格に見えがちだが「明るいですよ」と笑う。(敬称略)
プロフィール
小原由記子
(おはら ゆきこ)
青山学院大学国際政治経済学部卒業後、リクルートに入社。営業や新規事業開発に携わった後、2011年にソフトバンクの再生可能エネルギー事業会社立ち上げに従事。13年、「HEALTHPLAYER for biz」など、PHR(パーソナルヘルスレコード)と呼ばれる個人のヘルスケア情報を活用した医療ITビジネスを手がけるPractechs取締役に就任した。