記者の眼
2050年の高齢化率は38.8%!
総合的な解決能力が問われる
団塊世代が後期高齢者の75歳を迎える2025年の高齢化率は30.3%、さらに団塊ジュニア世代が後期高齢者となる2050年の高齢化率は38.8%になると推計されるなど、未曾有の高齢化社会に突入する。医療・介護は、これまでとは大きく異なる体制変更が求められ、ITを活用した情報共有、ネットワーク化は避けて通れない。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループは、富士通の診療所向け電子カルテのトップセラーであるキヤノンITSメディカルを中心に、医療・介護領域のビジネス拡大に力を入れる。競争も激しさを増すことは必至で、各社ともいかに自社の特性や強みを発揮し、競争優位性を保つかが問われることになる。キヤノンではグループの強みである光学や画像処理技術をフルに活用し、かつキヤノンMJグループがもつ最新鋭のデータセンターやネットワーク技術も投入し、「キヤノンらしい医療・介護ビジネスを創出する」(キヤノンITSメディカルの池下卓男取締役第二事業部事業部長)ことに取り組む。
医用画像処理ではレントゲン画像などの遠隔読影分野で強みをもつAZEを2014年9月にグループに迎え入れるとともに、キヤノングループの光学や画像処理の関連部門との「グループ内連携も加速させていく」(キヤノンITSメディカルの山口秀幸・第二事業部担当部長)という方針だ。ここにマイナンバーのような全国規模のネットワークも絡んでくると、より複雑でトータルな問題解決能力が必要になる。ITベンダーやSIer各社には、自社の強みを結集することによって、超高齢化社会の到来という大きな課題を克服していく商材やサービスの提供が求められている。

キヤノンITSメディカルの池下卓男取締役(右)、山口秀幸担当部長