ベリタステクノロジーズ 中堅企業の開拓にフォーカス
ベリタステクノロジーズ
倉田 修
専務執行役員
シマンテックから独立して、日本で2015年10月5日に営業を開始したベリタステクノロジーズは、パートナープログラム「ベリタス パートナーフォース」によって堅調に新規顧客を開拓している。倉田修・専務執行役員パートナー営業統括本部統括本部長は、「バックアップ関連製品の提供に長けたパートナーにとっては、独立前よりもメリットをもたらすプログラムとして評価を得ている」と自信をみせる。
ベリタス パートナーフォースは、リセラー向けのプログラムで販社をレジスタ、シルバー、ゴールド、プラチナの四つに分類している。ベリタス製品の販売に重点を置いた販社に対して、高い報奨金を支払うのが一番の魅力だ。中堅企業を新規顧客として開拓するために立ち上げたが、もともと大企業を顧客として獲得していたことや、案件登録額の引き上げなども相まって、大企業からの案件が多いようだ。大企業を顧客対象として、戦略的にパートナーシップを組んでい
る大手SIerとの関係強化、さまざまな角度でデータマネジメントを実現するベリタステクノロジーズの「360度データ管理」という戦略も大企業を掘り起こすことにつながっている。
中堅企業を開拓できていることは間違いなく、「中堅企業向けアプライアンスの提供を開始する」(倉田専務執行役員)ことを明らかにしている。
EMCジャパン 統合効果を発揮する
今井浩本部長(写真左)と渡部洋史執行役員
米国で米デル・テクノロジーズとしてデルとEMCが統合、日本国内ではまだ統合せずに展開しているEMCジャパン。独立した法人とはいえ、デル日本法人との統合を着々と進めている。その一つがパートナープログラム。渡部洋史・執行役員パートナー事業本部本部長は、「EMCジャパンとデルの両方のよいところを統合したプログラムに仕上げている」という。今年度はプログラムの参加条件など、両社それぞれの制度を踏襲するが、パートナーの名称は統一する。EMCジャパンの「プラチナ」にあたるプログラムを「チタニウム」、「ゴールド」を「プラチナ」、「シルバー」を「ゴールド」といった具合だ。
販社にとってパートナープログラムの統一を進めるメリットは、EMCジャパンとデル両方の製品・サービスを担ぐことができるということだ。
そのなかで、注目を集めている製品が「EMC Data Domain」「EMC Avamar」などのバックアップ/リカバリをはじめとしたデータを保護する製品だ。今井浩・DPS事業本部本部長は、「製品自体の進化により新しい市場を創造することに期待がもてることに加えて、EMCジャパンとデルの統合効果が発揮できる」としている。
統合効果については、例えばデルのサーバーとEMC Data Domainを組み合わせた展開など、製品のパッケージ化、またバックアップに長けた販社とサーバーに強い販社とのコラボレーションなどを想定している。今井本部長は、「DPS事業本部として、これまでの3年間で最も高い成長率を達成させる」と語気を強める。
記者の眼
バックアップソフトは、サーバーやストレージなどハードウェアと組み合わせて提供するのが主流だったことから、ワールドワイドでも直販をメインにビジネスを手がけるというケースが少ない。そのため、外資系と国産のメーカーともにワールドワイドで販社を経由したパートナービジネスに重きを置いているというのが特徴だ。
ただ、国内で主流だったディストリビュータからリセラー、ユーザー企業という既存の商流だけでなく、新たな商流をつくるメーカーが増えている。これは、バックアップがあたりまえになったものの、まだまだ新規顧客を開拓できる余地があるため。しかも、データ保護やデータマネジメントなど、製品・サービスがバックアップの領域から拡大しているのも理由だ。
他の製品ジャンルと比べて、今でもオンプレミス型での導入が多いバックアップ。ハイブリッド環境にユーザーニーズが高まっていることからも、既存の商流と新しい商流の両方を上手く確立できるかどうかがビジネス拡大のカギを握るといえそうだ。