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主要SIerの上期決算 大手3社ともに増収増益 海外事業で課題抱えるも国内事業で補う

2024/11/25 09:00

週刊BCN 2024年11月25日vol.2038掲載

 主要SIer3社の上期(2024年4~9月期)決算が出そろった。国内の旺盛なIT投資に支えられて3社ともに連結売上高、営業利益で増収増益を達成した。NTTデータグループは、国内事業と海外データセンター(DC)事業がけん引し、北米や一部欧州の不振を補った。野村総合研究所(NRI)は、海外の売り上げが伸び悩んだものの、収益力を高めたことで成長基調を維持。TISは、営業減益の計画を立てていたが、幅広い顧客のIT需要を取り込んだことで計画を上回る結果となった。
(取材・文/安藤章司)
 

NTTデータグループ
国内は主力3セグメントが堅調に推移

 NTTデータグループの連結売上高は前年同期比7.8%増の2兆2400億円、営業利益は22.3%増の1490億円だった。通期では、売上高は前回発表から変更はなく1.4%増の4兆4300億円、営業利益は8.5%増の3360億円を見込む。
 

 国内事業は、公共・社会基盤、金融、法人の主力3事業セグメントが増収で、売上高は7.8%増の8866億円、営業利益は金融セグメントのみ微減だったが、主力3セグメント合算では14.5%増の1073億円、営業利益率12.1%と堅調に推移した。

 公共・社会基盤は複数の中央省庁向け大型案件の獲得で増収を達成し、金融は大手金融機関向け案件で売り上げを伸ばした。一般法人向けは「幅広いユーザーの戦略ITパートナーとして存在感を発揮できた」(佐々木裕社長)ことが売り上げを押し上げた。
 
佐々木裕 社長

 NTTコミュニケーションズなどから引き継いだ海外DC事業を中心としたグローバルテクノロジー&ソリューションサービス事業セグメントの売上高は、25.7%増の4188億円、EBITA(営業利益+買収に伴うPPA無形固定資産の償却費等)は32.5%増の379億円と大きく伸びている。

 海外SI事業の売上高は、EMEA(欧州・中東・アフリカ)中南米地域が4.3%増の4945億円と増収だったのを除いて、北米地域は0.5%減の3362億円、アジア太平洋地域は1.3%減の1854億円の減収だった。円安によるプラス影響を除くと、海外主要3地域全て減収となる。EBITAベースの利益率は、北米が6.3%、EMEA中南米が4.1%、アジア太平洋が8.0%と、EMEA中南米の利益率に課題が残る。
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