──2024年を振り返って。
業種業界を問わず、DXが進んだ。当社の事業としては、お客様のニーズに応じてサービスにネットワークなど必要な要素を組み合わせるサービスインテグレーションが非常に伸びた。第1四半期(4~6月)は米VMware(ヴイエムウェア)製品のライセンスが大幅に値上げされた影響で営業利益が対前年比でマイナスになったが、第2四半期でプラスに転じ吸収できた。大型案件も継続的に獲得でき、順調に推移した。
勝 栄二郎
代表取締役社長
──業績好調の要因は。
顧客からは、システムとネットワークを一体で考え提案してほしいというニーズが非常に高い。当社はいろいろなサービスを組み合わせて、早くコストを抑えて提供できるのが強みだ。マルチクラウドベンダーとしてクラウド大手各社の製品をマネージドサービスとして提供できる。セキュリティーの取り組みも強化しており、市場のニーズが追い風になっている。サービスとインテクグレーションをうまくつなげることができている。
売り上げ5000億円を早期に達成する
──クラウドに対するニーズは。
企業や自治体はクラウド化を進めており、既存のオンプレミスのシステムを、大きな設計変更や方針を変えずにクラウドに移行したいという要望が多い。当社は自社のパブリッククラウドサービスの「IIJ GIO」だけでなくマルチクラウドに対応できるため、顧客の要望に添った支援ができる。オンプレミスのシステムとクラウドをうまく連携させるプラットフォームとして「IIJクラウドデータプラットフォーム」は引き合いが多かった。
──当面の経営目標は。
5000億円の売り上げを早期に達成したいとの目標を掲げており、現在の中期経営計画はその途中段階になる。5000億円の達成とその先の成長を見据えると、新しい成長領域をどうつくっていくかが重要になる。目指すのは、データ駆動型社会の構築で、そのためのニーズがどこにあるのかを探っている。災害時における自治体との要介護者情報の共有基盤や、農業でのIT化など、多様な分野で取り組みを進めている。情報分野だけでなく、多岐にわたる事業をネットワークでつなぎ、効率化することで、日本経済に貢献できる。社風であるチャレンジ精神を大切にし、取り組んでいきたい。
──25年の抱負を。
当社の強みはネットワークにあり、その延長にあるクラウド、セキュリティー、データセンター事業などいずれも需要が高まっているので、引き続き対応していく。IT市場の好調は続くと思うが、新しい成長分野も開拓しながら、着実に業績を伸ばしたい。