Special Issue

<仮想化ソリューション特集> 前編

2007/10/30 19:56

週刊BCN 2007年10月29日vol.1209掲載

「仮想化」で、これまで以上に信頼性が求められる
VMwareを活用した仮想化のプラットフォームに最適

 今、サーバコンソリデーションが大きなトレンドとなっている。1つのプラットフォームに数十台のサーバが稼働することも珍しくない。だからこそ、そのプラットフォームの信頼性が重視されてくる。プラットフォームに障害が起きれば、そのインパクトはこれまで以上に大きくなってくるためだ。仮想化のプラットフォームについて、営業本部 マーケティング部長・松崎展晃氏と営業本部 システム部長・松本昌洋氏に話を聞いた。

■シンプルなシステムでシンプルな管理が求められる

 第4世代「ftServer」は、数年前に提供されていたハイエンドUNIX機に匹敵するパフォーマンスを有している。価格を抑えながら高信頼性、高パフォーマンスということから、データベースサーバなどに活用されはじめ、市場を広げはじめている。

 「数ノードのクラスタリングでデータベースサーバを構築しているケースもあるかと思います。安全性を考えると、サーバのノードは少ない方がいい。そのため、当社の“ftServer”が注目されているのでしょう」と、営業本部 システム部長・松本昌洋氏は語る。

 大規模システムの中には、超並列系のものはある。しかし一般に使われるシステムは、数ノードで十分だ。この市場では、シンプルなプラットフォームの中でのシンプルな管理が求められている。第4世代「ftServer」は、この市場ニーズにマッチし、支持を獲得した。

■CPU稼働率の向上に、仮想化が注目

 サーバのパフォーマンスが向上した結果、「CPUの“だぶつき感”が問題視されています。多くの調査結果が各ベンダーから出ていますが、CPUの平均使用率は10%ほどというのが現状のようです」と、営業本部 マーケティング部長・松崎展晃氏は語る。

 これまで多くのシステムは、アプリケーションごとにサーバを構築していた。CPUの使用率が低いということは、つまりそれだけ「無駄」になるということになる。余っているCPUを何かに活用したいと考えるのは、むしろ自然の流れである。

 松崎氏によると、「サーバコンソリデーションが進む中、より効率化をめざし、VMwareなどの仮想化技術と組み合わせて利用するケースが増えています。数十台のサーバを1つのプラットフォームで稼働させているケースもあるでしょう」とのことだ。「VMware」をはじめとする仮想化技術によって、ハードウェア管理とソフトウェア管理を完全に分離し、ハードウェア機器は処理、ストレージ、ネットワーク機能の単一プールとして扱えるようになる。また、これらの技術を活用することでCPU使用率を60%から80%に向上し、新しいアプリケーションを数十秒でプロビジョニングできるようになる。

■仮想化のプラットフォームにはftServerがナチュラルフィット

 「“仮想化”は、メインフレームとよく似ていると思います。それぞれ独立したオペレーションを堅牢なプラットフォームが守るという考え方ですからね。信頼性の高い当社の“ftServer”とVMwareの組み合わせは、ナチュラルフィットしていると思います」(松崎氏)。さらに松崎氏は、次のように言葉を続けた。「日本ストラタステクノロジーは、ヴイエムウェアとアライアンスを締結しており、多くのエンジニアを交流させています。共同開発のプログラムもあり、開発部隊が一緒に作業しています。スピーディーに信頼性の高い製品を作り上げています」(松崎氏)。

 日本ストラタステクノロジーは、VMwareの高いスキルを有するエンジニアを多数抱えている。知識・ノウハウも蓄積しており、「仮想化」にも十分対応できる体制を整えている。「“仮想化”が進むことで、ハードウェア障害が企業システムに与える影響が非常に大きくなると考えています。数十台のサーバが稼働しているプラットフォームに障害が起きた場合、これらのサーバすべてが停止することも考えられます。そうなると、業務が停止することも考えられるでしょう」(松本氏)。

 仮想化は自然の流れであり、今後さらに多くの企業で活用されるようになっていくだろう。その中で、集約されているそれぞれのサーバにはさほど信頼性が求められないにしても、それらのサーバを支えるプラットフォームには、これまで以上に高い信頼性が求められている。サーバコンソリデーションを進める「仮想化」を選択した場合、そのプラットフォームに信頼性を考慮する必要が出てきている。これまで基幹系システムでは信頼性が重視されてきたが、仮想化のプラットフォームでもこれまで以上に、信頼性を重視しなければならなくなった。高い信頼性を有し、管理・運用も容易ということから「ftServer」は最適な選択肢のひとつとなっている。

 「例えば、日中はファイナンス系、夜間はバッチ処理系に信頼性がほしいというケースも多いと思います。こういった場合にも“ftServer”を活用することで解決することができます」(松崎氏)。

 クラスタ構成において高信頼システムを構築するには、複雑な開発と検証に時間を要し、開発費用がかかる。「“ftServer”には高信頼性システムが組み込まれているので、クラスタで必要な開発やそれに伴う費用が発生しません。従って、コストを抑えた効率のよい高信頼性インフラの構築が可能になるのです」(松本氏)。

■日本ストラタステクノロジーの強みを発揮 パートナー支援も充実

photo 今後、日本ストラタステクノロジーでは、パートナーへの導入支援やコンサルティングなども行っていくという。

 サポート面では「ftServer」に加え、その上で稼働しているゲストOS(LinuxとWindowsに限る)までもワンストップで行う準備を進めている。

 「仮想化では、ハードウェアのみのサポートというのが多いと思いますが、当社がこれまで蓄積してきたノウハウや知識を投入し、ゲストOSまでサポート範囲を広げました。かなりレベルの高いサポートをしていきます」(松本氏)。

 フォールト・トレラント技術を有し、高信頼性を訴求してきた日本ストラタステクノロジー。第4世代サーバは、これからの「仮想化」を支えるソリューションであり、新たなビジネスチャンスを生み出す金の卵として、市場から非常に注目されている。

日本ストラタステクノロジー=http://www.stratus.co.jp/

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