Special Issue

Acer.Inc/グローバルを勝ち抜いた目が見つめる日本市場 Vol.1

2008/04/14 19:56

週刊BCN 2008年04月14日vol.1231掲載

 ワールドワイドで世界第3位、ノートPCでは世界第2位* のPCメーカーとして進化を続けるエイサー。欧米市場や、ここ数年注力してきた新興市場(エマージングマーケット)でブランド力が着実にアップしているが、2008年、次の注力市場となるのは「日本」だ。2008年3月25日、日本エイサーは、ノートPC「Aspire6920」を発表した。3月12日のニューヨークに次いで行われたスペシャルイベントの会場(港区赤坂)には、ヘッドクォーターから初めて、ブランドマネジメント&プロダクトマーケティング ディレクターが駆けつけ、世界最先端の技術を駆使した製品にインテルやドルビージャパンなどのゲストがメッセージを添えた。今回はその模様をレポートする。
*出典:Source:Gartner Dataquest


ヘッドクォーターブランドマネジメント&プロダクトマーケティング ディレクターが来日
エイサーが目指す次の注力市場は「日本」持ち運べるホームシアターをノートPCで実現


最新の機能とエレガントなデザイン ノートPC「Gemstone Blue」登場!

 2008年、エイサーの日本市場への本格的なアプローチは、魅力的なノートPCの登場から始まった。

 3月25日、世界に先駆けて16:9比率の16インチ液晶ディスプレイを搭載したノートPC「Gemstone Blue」。その“持ち運べるホームシアター”の魅力を、ヘッドクォーターでブランドマネジメント&プロダクトマーケティングディビジョン モバイルコンピューティング ビジネスユニットのディレクターを務めるアンディ・チャン氏が熱く語る。

 「Gemstone Blueは、ノートPC『Aspire』シリーズの高級製品ブランドの第2世代です。従来の16:10ではなく、ハイビジョンテレビと同じ16:9比率の液晶ディスプレイを搭載し、TVやDVD/BDなどのワイドコンテンツを黒い余白なく楽しむことができます」。

 欧米では16型、18.4型ディスプレイモデルを発表しているが、日本では1366×768ドット表示の16型ディスプレイモデル『Aspire 6920』を3モデル(Office Personal 2007を選択可能)、4月25日に先行して発売。18.4型ディスプレイモデルの登場は夏ごろの予定だ。

 その中で、中・上位モデル「AS6920G- 832G25/同G32」は、Core 2 Duo T8100、T8300(2.4/2.1GHz)を搭載し、Blu-rayのムービーもストレスなく再生できるというNVIDIA GeForce 9500M GS(ビデオメモリー512MB)を採用。さらに、 ドルビーのPC向け第2世代技術「Dolby Home Theater」に初めて対応し、数々のサラウンド再生や、背面の2.1chスピーカー「Tuba」とスピーカーとの音響効果で、迫力と臨場感のある音声を堪能することができる。また、キーボードの左側にはマルチメディアが楽しめ、ナビゲーションと曲送りや音量調整などの操作が指先のタッチだけで操作できる「CineDash Media Console」を装備。通信機能は、すべてのモデルでBluetooth 2.0、IEEE 802.11/a/b/gに対応している。

 「最新機能を結集し、世界的にも人気の高いクールなBlueのイルミネーションが仕込まれたヒンジ、多層塗装の施された深いブルーの天板など、その名にふさわしいデザインとなっています。また、今回採用した『ダイヤモンドeキー』には、エイサーのメッセージである、より簡単に使える“easy”、次世代PC管理プラットフォーム“Empowering Technology”、人と技術の障壁を取り除く“Empowering People”が込められています」とアンディ・チャン氏。斬新なノートPCは、目の肥えた日本市場でも大いに活躍が期待される。

世界市場との差を縮める 日本市場に向けた新たな一歩

 発表会では、アンディ・チャン氏に先駆け、日本エイサーのボブ・セン社長が登壇し、歴史と近況を語った。

 

 「エイサーは、2000年、ブランドPCにコアビジネスを転換し、以降、インダイレクトビジネス、マルチブランドによって急成長を遂げています。世界市場ではシェア第3位、ノートPCでは世界シェア2位となり、売上高、利益、出荷数とも順調に推移しており、欧米、そしてエマージングマーケットで着実にエイサーブランドは浸透しています」。

 しかし、日本市場では、ナショナルブランドが上位を占めており、世界市場とは形成が異なる。ボブ・セン氏は、「この2年間は販売チャネルの確立に力を注いできました。エイサーの次の注力市場は『日本』。一夜でシェアを獲得できませんが、正しいタイミングで製品を投入していきたいと思います。今回が第一弾、今後も続々と投入する予定です」と、国内市場への本格参入へ新たな一歩を強調した。

 製品紹介後には、インテル・マーケティング本部長の江田麻季子氏が、「性能、バッテリーライフ、フォームファクター、ワイヤレスの4つの機能がノートPCをより使いやすくしています。特にワイヤレスでは、2003年のCentrinoの登場とともに、WiFiが急速に普及しています」と、インテル Centrinoプロセッサー・テクノロジーの新たなライフスタイルを紹介し、エイサーの「Gemstone Blue」を歓迎した。

 続くドルビージャパン・営業部シニアマネージャーのベン・ティン氏は、両社の強力な提携関係を強調し、さらに「ノートPCのように設置距離の近いスピーカーでも奥行きと広がりのある音響効果が得られる『Dolby Sound Space Expander』やノートPCでは実現しにくかった重低音を引き出せる『Dolby Natural Bass』など、よりリアルな音楽体験が可能になりました」と述べた。

 新製品の投入を皮切りに、エイサーの日本市場に向けた新しいイノベーションがどのように展開されるか、今後の活躍に注目だ。
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