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<ロジテック特集>エレコムの営業力とロジテックの技術力がグループシナジーを発揮

2008/06/23 19:56

週刊BCN 2008年06月23日vol.1240掲載

マイクロソフトとの協業でエントリーNAS市場へ進出
ソフトのインストールでソリューションとして提案

信頼性が求められるNAS ユーザーの声に応えた「竹」

 「蓄積されている“データ”には値段に換えられない価値があると思います。例えば、データが消えてしまったら、その損害は非常に大きいはずです。そのデータを保存するストレージに信頼性を求めるというのは、当然の流れだと思います」と、エレコム・営業部・法人営業企画チームの山田真也氏は語る。「竹」シリーズは、製品としての魅力はもちろんエレコムの営業力をフル活用する。その両輪が、販売店にとってのメリットをより明確にする。

 NAS製品はローエンドのものばかりが目立ち、信頼性よりも価格を重視した製品が多い。コンシューマの利用であれば十分だろうが、法人での利用となると話は別だ。法人では、内部統制や事業継続などの必要性から、ストレージには高い信頼性を求める傾向が強い。その声に応えるのがロジテックの「竹」シリーズだ。

 「『RAID6シリーズ』をフラッグシップモデルとして展開しているなかで、我々の方向性に対して多くの支持をいただいています。そこでパートナー様よりいただいた要望を取り込んだ製品として、価格を抑え、RAID5を採用した“竹”シリーズを満を持して提供します」(山田氏)。

価格を抑え新たな市場を獲得へ

 マイクロソフトも、NASのエントリー市場の獲得に注力している。同社は、これまでこの市場に対して、適切な訴求ができなかった。Windows Storage Server採用製品の価格帯は40―50万円台がホットスポットとなっており、それ以下の価格帯での製品はほとんど提供されてこなかったためだ。そのなかでエントリー市場でLinuxが伸長し、大きなボリュームを獲得するまでに至っている。この市場を獲得すべく、10万円台の製品として「竹」シリーズが投入される。

 「ストレージサーバーのエントリーをさらに広げる試みとして、業界的にも注目されています。さらに市場での認知を獲得するため、マイクロソフト様と共同のセミナーなども行っていきたいと考えています」(山田氏)。

 『LSV-6Rシリーズ』や『竹』シリーズは、Windows Storage Serverを採用したことで、ソリューションとしての提案力が大幅に向上している。NAS自体にウイルス対策ソフトやバックアップソフトをインストールして、簡単に管理・運用できるようになっている。

 ウイルス対策ソフトとして、市場でも高い支持を獲得しているトレンドマイクロの『TREND MICRO ウイルスバスター ビジネスセキュリティ』や『TREND MICRO ウイルスバスターコーポレートエディション』での動作検証はもちろん、サーバー、クライアントをシステムごと高速バックアップするシマンテックのバックアップソリューション「Backup Exec System Recovery」で動作検証している。

 「メーカー側が動作検証をしていることで、SIer様やディストリビューター様が提案しやすくなると考えました。また、これらのソフトウェアと一緒にお客様に提案できるため、単なるNASとしてではなく、ソリューションとして提供できるようになります。これは、パートナー様にとっても大きなメリットになると思います」(山田氏)。

提案の幅を広げパートナーが扱いやすい

 確かに、これまでのNAS製品の場合、多くはSIerが検証し、ソリューションとして提供してきた。その工数をメーカー側が受け持つことで、手間がかからず、顧客企業に安心して導入できるようになる。また、Active Directoryにも対応しており、管理性も高い。 市場でも高い評価を獲得しているソフトウェアの動作検証がとれているため、顧客企業にとっても「安心」「安全」を高めることができ、その効果は計り知れない。「ソフトウェアを組み込めば、システムとしてご提案できるようになります。お客様が実際に欲しいと思う提案が可能です。パートナー様からの引き合いも多くいただいており、手応えを感じています」(山田氏)。

 確かに、ローエンドモデルのNASの信頼性に疑問を持ちながらも、ユーザーからの指名で導入してきたパートナー企業も少なくない。その結果、導入後のトラブルに悩まされ、結果として工数が多くかかってしまっている実情もある。しかし、「竹」シリーズのようなソリューションであれば、そのような心配は必要ない。パートナー企業の強みを生かしながらも、新しい市場を広げる可能性を秘めている。非常にポテンシャルの高いソリューションと言えよう。

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外部リンク

ロジテック=http://www.logitec.co.jp/