Special Issue

<プリンティングソリューション特集>省スペース・省エネなどニーズは多岐にわたる(上)

2008/07/07 19:56

週刊BCN 2008年07月07日vol.1242掲載

カシオ計算機
業界初!カーボンオフセット付き
「回収協力トナー」を提供

二酸化炭素排出量を相殺するカーボンオフセットに注目

 カシオ計算機は、A3対応高速カラーページプリンタの新製品として、環境への配慮を高めた「SPEEDIA(スピーディア)N3600」を6月に発売し、好評を博している。

 「当社では、使用済みのトナーカートリッジを無料で回収・再生し、トナー費用のみをお客様に負担していただく『回収協力トナー』を05年より販売しており、環境負荷とランニングコストの低減に貢献するものとして、非常に高い評価をいただいております」と、国内営業統轄部・システム企画部・VCI企画室の西田公浩リーダーは語る。

 カートリッジを循環利用することで、自社のコスト削減と環境負荷の両立を実現するという提案は、ユーザーからも受け入れられ、高い回収率を誇っている。最新機種の「N3600」では、環境への配慮をさらに推進すべく、国内プリンタ業界としては初めてカーボンオフセット付きのトナーを、7月7日より提供する。

 カーボンオフセットとは、経済活動などで避けられない二酸化炭素などの温室効果ガスの排出について、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することで、排出される温室効果ガスを相殺する考え方のこと。「カーボンオフセット付き“回収協力トナー”では、価格は従来の“回収協力トナー”のまま据え置き、当社がトナーの売上金から一部を拠出し、プリンタが印刷時に消費する電力に相当する二酸化炭素排出分をお客様に代わってオフセットします」(西田リーダー)。

ハードルが低く「はじめられる」プリンタに

 つまり、ユーザー側が何らかの負担を強いられることがなく、オフィスのエコロジーを推進できることになる。08年からは、京都議定書に定められた第一約束期間がスタートしており、日本は二酸化炭素を6%削減しなければならない。企業に対して環境への配慮がさらに求められ、カーボンオフセットのような活動は、より重要となっていくだろう。カシオ計算機は、現在だけでなく、数年先を見越した提案を行っているのである。

 また、8月に予定している無償バージョンアップでは、エコロジーを「見える化」するための機能を強化する。両面やトナーセーブなどのエコ度合いを表すマークを印刷する「エコレベル印刷」、どれくらいのエコ効果があったのか集計する「エコログ集計」、節電キーを長押しすることで、クライアントPCの印刷設定をトナーセーブなどのエコに沿った設定に一斉変更する「一発エコモード」などの機能を提供する。

 「“N3600”を活用することでお客様に負担なく、これまで以上に環境に配慮することができます。“まずは、はじめてみませんか”という提案ができる数少ないプリンタの1つであると自負しています」(西田リーダー)。

セキュリティに配慮し管理・運用コストも削減する

 「N3600」は、環境への配慮はもちろん、セキュリティ機能も強化している。社員証に使われている非接触ICカードや携帯電話などのRFIDデバイスをキーデバイスとした「認証プリント」を簡単に実現できる。

 「サーバーレスで実現できるため、管理・運用コストを抑えつつセキュアな印刷環境を構築できます。また、無駄な印刷を削減する効果も高く、環境へも寄与します」(西田リーダー)。

 追加の投資を最小限に抑えながら、エコロジー、セキュリティというビジネスの最先端で求められる機能をサポート。管理・運用コストも削減でき、非常にメリットの大きいプリンタというわけだ。

 また、「はじめる」ためのハードルも非常に低く抑えられているので、ユーザー企業も導入・運用しやすい。事業部単位でのスモールスタート後、社内全体に展開するような場合にもそのメリットは大きい。カシオ計算機の提案は、現在の課題解決だけではなく、将来的な課題も解決する懐の深いものだ。それだけに市場からの注目も高い。


カシオ計算機=http://casio.jp/

関連記事

<プリンティングソリューション特集>省スペース・省エネなどニーズは多岐にわたる(下)