セキュリティニーズが高まるなか、その管理・運用コストが新たな課題となっている。UTMアプライアンスは、この課題に対するひとつの解として注目され、市場のトレンドとなりつつある。NECは、新たに開発したアプライアンス専用のプラットフォームに、チェック・ポイント社のセキュリティプラットフォームを搭載した「UNIVERGE UnifiedWall」を発表した。11月から順次販売開始する。

チェック・ポイント社とのコラボレーションを実現


NECブランドのUTMアプライアンスを投入

 生産性を向上させるという目的でオフィスオートメーション化が進められている昨今、企業には数多くのIT機器が導入・運用されている。それらの機器は、それぞれネットワークに接続されることによって、さらなる効率化を実現した。ネットワークをインターネットに接続して使うケースも多く、その結果、非常に多くの情報が世界に流通するようになった。

 こうしたなかで、「セキュリティ」という新たな課題が浮かびあがっている。ネットワークには、さまざまな脅威が渦巻いている。なかには、ボットのように犯罪目的で使われるものも少なくない。ネットワーク活用が進むと、おのずとこれらの脅威への接点も増える。さらに、複数の脅威がそれぞれ連携して攻撃する方法も一般化しており、単一の対策ソリューションでは太刀打ちできない状況になった。例えば、スパムメールを媒介し、悪意のあるサイトに誘導してスパイウェアやウイルスなどを感染させる方法もある。これらの対策として、アンチスパムやURLフィルタリング、アンチウイルス、アンチスパイウェアなどが必要になる。

 セキュリティニーズが高まるなかで、セキュリティソリューションの導入・管理・運用にかかるコストもまた、増加傾向にある。専門の対策ソリューションを導入すると、それにかかる工数も増大する。セキュリティを確保するために、ソリューションの導入コストだけでなく、管理者の負担も大幅に増大してしまうことになる。

 「セキュリティソリューション」は必要ではあるものの、安易に導入できないというジレンマがある。特に中小企業では、その傾向が顕著だ。

 そこで注目されているのが、UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)アプライアンスだ。

 「UTM市場が伸長しているというのは、多くの調査会社の資料でも明らかで、お客様からの問い合わせなども実際に増えています。そこで、NECブランドのUTMアプライアンスとして“UNIVERGE UnifiedWall”を開発しました」と、UNIVERGEソリューション推進本部・UNIVERGE市場開発部・マネージャーの三浦敏春氏は語る。

 「UNIVERGE UnifiedWall」は、アンチウイルス/アンチスパイウェア、ファイアウォール/VPN、不正侵入/検知/防御、アンチスパム、URLフィルタリング、Webアプリケーションファイアウォール(オプション)などのセキュリティ機能を1つの機器に統合した製品で、ネットワークを集中管理する。優れた統合管理は、複数のゲートウェイが存在した場合でも設定を集約管理できるため、管理者の負担を軽減しつつ設定ミスの可能性を低減させるのだ。

 つまり、「UNIVERGE UnifiedWall」を導入することによって、複数のセキュリティ対策ソフトを導入するよりもトータルコストを抑え、システム管理者の運用管理負担の低減、障害の切り分け負担などの問題が回避できる。


信頼と実績のあるチェック・ポイント社との連携

 「今回、ファイアウォール製品では、業界で定評のあるチェック・ポイント社製アプライアンスUTM-1のセキュリティプラットフォームを採用しています。また、ハードウェアには、アプライアンス専用のプラットフォームを新規開発しました。当社はもちろん、チェック・ポイント社も、このプラットフォーム上で動作検証を行っており、信頼性と安心感を高めています」と、第一システムソフトウェア事業部・セキュリティグループ・マネージャーの鹿島謙一氏は語る。実は、チェック・ポイント社が自社製でないハードウェアでUTM-1のセキュリティプラットフォームを実装するのは、「UNIVERGE UnifiedWall」が初めてだ。両社の連携が非常に密であったからこそ、実現した製品である。 高可用性を求める現場の場合、冗長化構成であっても導入可能だ。また、「UNIVERGE UnifiedWall」は、複数機能を使う場合も追加ライセンスが発生しない。標準でアンチウイルス/アンチスパイウェア、ファイアウォール/VPN、不正侵入/検知/防御、アンチスパム、URLフィルタリングの機能を利用できる。パターンファイルをアップデートするためには、別途SmartDefenseサービスの契約が必要になるが、非常にシンプルなライセンス体系だと言えよう。通常のUTMアプライアンスの場合、機能ごとに追加ライセンス購入の必要があるのだ。

 また、ユーザー数の制限もない。従来は、ユーザー数単位でのライセンス体系になっており、利用者の増加によってライセンスの追加購入が必要だった。しかし「UNIVERGE UnifiedWall」の場合、スループット別に3ラインアップが用意されているため、企業のネットワーク環境に合った製品を選定することができ、そういった煩わしさが一切ない。

販売店の提案の幅を広げる「UNIVERGE UnifiedWall」

 「“UNIVERGE UnifiedWall”の場合、ハードウェアからソフトウェアまで、当社が一括サポートいたします。このような製品の場合、製品の機能・特徴だけではなく、サポートが非常に重要だと思います。当社製品であれば、全国のサービス拠点のサービスエンジニアが強力にサポートしますので、お客様も安心してご利用になれると思います」(三浦氏)。

 「UNIVERGE UnifiedWall」では、「UNIVERGE UnifiedWallソフトウェアサポートサービス」を購入した場合、電話や電子メール、FAXによる問い合わせやパッチ、バージョンアップソフトウェアの提供を行う。

 「“UNIVERGE UnifiedWall”は、エントリーモデルである“UNIVERGE UnifiedWall 1000”から順次投入していきます。オールインワンタイプなので、販売店様からみるとお客様に提案しやすく、手離れがいい商材になります。当社がサポートサービスもご支援いたしますので、安心して“UNIVERGE UnifiedWall”を販売いただければと思います」(鹿島氏)。

 信頼の高いチェック・ポイント社のセキュリティプラットフォームと、新設計のハードウェアプラットフォームで、新しいUTMアプライアンスを開発したNEC。活性化しているUTM市場の台風の目となるか。今後の動向に注目したい。