エントリーシステムディスクアレイを全世界で提供

 富士通がストレージ事業の拡大を図っている。このほど「ETERNUS」シリーズで、エントリーシステム向けディスクアレイの「ETERNUS DX60、DX80」を市場投入。低消費電力化など環境への配慮や拡張性の高さ、導入の簡便性などを武器として、中堅企業の基幹システムを中心に新規顧客やリプレースの開拓を進めていく。また、本製品の提供を手始めに、「ETERNUS」ブランドの欧州での販売を開始。グローバルでビジネスを展開するユーザーに対し、ワールドワイドで均一な製品とサービスを提供することで、ストレージ市場で確固たる地位を築く同社が一段と飛躍を遂げようとしている。

好評の「ETERNUS2000」をエンハンス
豊富な機能を多彩に盛り込む


 2009年5月7日、富士通はストレージの新製品として「DX60」と「DX80」の販売を開始した。本製品は、これまで中小規模のシステム向けに提供していた「ETERNUS2000モデル50」などの後継機種として位置づけ、好評だった機能を継承しながらさらにエンハンスした製品に仕上げている。ターゲットにするのは、中堅企業の基幹システムや大企業の部門システムなど。なかでも、年商300億円規模の中堅企業をボリュームゾーンに設定する。中小規模システム向けの後継機種だけあって、対象ユーザーが導入しやすい機能をふんだんに盛り込んでいることがポイントになっている。

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 今回、機能を強化した点は、「優れた拡張性・接続性」「簡単な運用管理」「環境配慮」など。「拡張性」では、最大ドライブ数を「DX60」で24本、「DX80」で120本に設定し、ユーザー企業が用途に合わせて導入できる。「DX80」で最大120TB(テラバイト)まで拡張が可能と柔軟に対応できることから、エントリーシステム向けだが、ミッドレンジクラスにも最適だ。

 「接続性」に関しても、FC-SANの接続形態で4Gbpsの速度を実現。「DX80」では8Gbpsを可能としている。また、さまざまなサーバーやOSをサポートし、SAN環境の構築が可能。

 他社製品のサーバーにも対応するので、さまざまなメーカーのサーバーを販売するSIerなど販社は、ユーザー企業のニーズに応じてシステムを提案できる。OSもWindowsやUNIX、Linuxなどをマルチにカバーしているため、ユーザー企業にとっては社内リソースを有効活用できるメリットがある。さらに、近くIP-SANやSASへの接続も予定している。

導入や管理の「かんたん」を追求
障害時の状況把握やサポートも充実


 二つ目の「簡単な運用管理」としては、わかりやすいGUIを標準で搭載するほか、専用の運用ソフト「ETERNUS SF Quick Starter※」によって、ストレージの運用で一般的に課題となる難しさを解決した。「ETERNUS SF Quick Starter」はオプションだが、3か月間の無償トライアルも実施している。「ハードウェアの設置」、「Quick Starterのインストール」、「業務ボリューム設定」の3ステップにて開封後30分以内で導入可能。いずれのステップでもWindowsのサーバー管理者が分かる平易な言葉を採用した。運用面では、「状態把握」「構成設定」「変更履歴の確認」など“やりたい”ことで選べる管理画面によって操作の簡便性を追求した。バックアップは2クリックで完了する。容量に依存しない「Disk to Disk(D2D)」の高速バックアップ運用ができるのも特長だ。障害管理では、トラブル発生時に、平易なメッセージによる状況把握や、イベント情報で迅速に影響範囲を特定。また、コントローラーや電源など主要コンポーネントの二重化で、万一の障害時でもシステムが停止しないほか、システム稼動中の最新ファーム交換を実現している。

 こうした豊富な機能の搭載に加え、サポート面も充実。リモートによるメンテナンスや、サービスエンジニアによる出張修理も行っている。

 最後の「環境配慮」では、同社の厳しい環境評価基準をクリアする「スーパーグリーン製品」に仕上げたほか、バッテリーフリー化によりバッテリーの定期交換を不要としている。さらに、消費電力量を10%削減するエコモード機能に加え、独自のストレージ管理ソフト「ETERNUS SF Storage Cruiser」による“電力と温度の「見える化」”も可能とした。また、室温の変化に応じて冷却ファンの回転速度を段階的に制御する多段階ファン制御方式をより細分化し、回転数の最適化を実現。ファン数量の削減と合わせて、従来機の「ETERNUS2000モデル50」と比べて8%の低消費電力化をかなえるなど、世界最高レベルの消費電力と静音性を実現している。

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 同社は、これから「DX」シリーズを武器に中堅企業の基幹システムから大企業の部門システムを中心に新規顧客とリプレース需要を開拓するため、これまで以上に販売パートナーの拡充拡販に注力するという。なかでも、富士通系以外の販売パートナー経由で間接販売拡大を目指す方針である。また、「DX」シリーズの発売を機に、富士通テクノロジー・ソリューションズを通じて欧州市場での販売も開始。従来から展開する日本、アジア・オセアニア地域、米国も含めて「ETERNUS」ブランドをグローバルで広める活動を進める。ストレージ市場は、とくに中堅企業の領域が国内・海外を問わず成長している。同社は、この流れをキャッチしたことで、革新的な新製品の開発や、「ETERNUS」のグローバル化を図ったのだ。競争が激しいなか、エントリーディスクアレイでグローバル化を加速するという明確なビジョンを打ち出し、グローバル市場で均一な質の高いソリューションを提供していく。