NTTコミュニケーションズ（NTT Com）のクラウドサービス部の中山幹公担当部長は、「BCN Conference」のセッションで「BizCITYでともに創ろう！ これからのクラウド」と題する講演を行った。ユーザー企業のクラウドについての認識状況に触れるとともに、クラウドサービス「BizCITY」のメリットと、パートナープログラムについて説明した。

＜2011.10.14開催 BCN Conferenceレポート＞

NTTコミュニケーションズの中山幹公担当部長

　従来は、コスト削減がクラウドの最大のメリットとしてうたわれてきた。しかし、このところクラウドの導入理由が多様化してきた。BCP（事業継続計画）や、ビッグデータと称される大量デジタルコンテンツを収集してビジネスの意思決定に生かすための導入が進んでいる。

　中山担当部長は、「ユーザー企業では、プライベートクラウドと称して、ブレードサーバーと仮想化技術をオンプレミス型で導入して自社で運用しているところも多い。これでは、たとえサーバーの集約ができたとしても、コスト削減については効果が得られているかどうかの疑問が残る」と指摘する。そして、「クラウドはICT全体の『パラダイムシフト』だ。クラウドベンダーのサービスを利用することで、コスト削減やシステム運用のアウトソーシング、ビッグデータの活用など、攻めのICTとして業務に生かしてほしい」と続けた。

　クラウドのメリットを実現できるのが、IaaSへのシフトであり、NTTComが提供するクラウドサービス「BizCITY」だ。日経BPが先日発表したクラウドランキングにおいて、クラウド基盤サービス（IaaS/PaaS）部門、プライベートクラウド構築支援サービス部門でベストサービスに選出されている。

　同社のIaaS「Bizホスティング」の強みは、クラウドを導入するシステムの用途に応じて、複数の最適クラウド環境が一社で提供できることだ。また、オンプレミス、パブリッククラウド、他社のクラウドともスムーズに連携する「ハイブリッド」クラウドも得意分野であり、運用管理サービスや60以上のアプリケーションなどのラインアップを豊富にそろえている。グローバル企業向けには世界５極で提供するホスティングを一元管理することができるほか､ディザスタリカバリもグローバル規模で展開している。一方で、中小企業向けやコストパフォーマンス重視の用途には、低価格でありながら稼働率99.997％を誇る「Bizホスティング ベーシック」がお勧めだ。新サービスの月額21円/GBの低価格の大容量データストレージサービス「Bizシンプルディスク」も用意している。

　NTTComでは、ISVやSIer、ディーラー、コンテンツプロバイダなどを中心にパートナーの拡充を進めており、支援プログラムを無償で提供している。中山担当部長は「パートナーの皆様に、当社のもつブランドや数十万社の顧客ベースをどんどん活用していただき、クラウド分野でのビジネスを拡大してほしい」と説明する。例えば毎月開催している同社主催のセミナーなどでパートナーの製品を紹介したりしてセールスリードを提供しており、これを活用し新規顧客を開拓できたパートナー企業も多数あるという。