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「アクロニス世界障害復旧指標:2012」から読み解く、日本企業のバックアップ・DRの現状と課題

2012/02/23 19:55

 2011年は、東日本大震災やタイの壊滅的な洪水など、世界中で企業活動に影響をおよぼす自然災害の脅威を目の当たりにした1年だった。一方で、企業を取り巻くシステム環境も大きく変化し、例えば中堅・中小企業(SMB)では、毎年1社あたり約40TBもの新規データを生成しバックアップを行っており、データの増大が顕著になっている。こうした環境のなかで危機に対処して事業継続を実現するには、バックアップとディザスタリカバリ(DR)に関する戦略を導入することが重要だ。さらには、クラウドコンピューティングや仮想化環境の利用が拡大しているが、効率的なシステム運用とスピード感を伴ったIT経営を考えたときには、戦略レベルで多くの課題が残ったままだ。

日本のバックアップ・DR信頼度は世界3位を維持

 バックアップ・リストア(復元)・システムの移行/配布に関する製品を開発・販売する米アクロニスが、企業IT管理者を対象に、自社のバックアップとリカバリに関する信頼度調査の結果をまとめた「アクロニス世界障害復旧評価指標:2012」は、事業継続計画(BCP)を検討するうえで示唆に富んでいる。13か国/約3,000人規模の昨年に続き2回目となる「世界障害復旧評価指標:2012」は、調査対象国に新たにサウジアラビアとBRICsを追加して、11年9~10月、日本を含む世界18か国/約6,000人規模で調査を実施。アクロニスが今年2月に結果を公表した。企業のバックアップとリストアに関する信頼度と能力を国別に格付けするもので、他国の同業者と自社の状況を比較し、改善に向けて必要な課題を把握できる。

 指標によれば、自然災害や欧州の経済危機などを背景に、バックアップ・DRに関する信頼度は14%上昇した。外部環境の変化に対処するために、バックアップとDRを包括的に運用するリソースとテクノロジーをもつ企業が倍増したことが理由だ。これに加え、65%の企業が「前年よりも定期的にバックアップテストを実行するようになった」と回答。災害時などを含め、重大な障害発生時にこれらが機能しなくなることに関心が高まった。別の調査項目をみると、重大な問題や障害が発生した際に「長時間のダウンタイムは起こらない」と考える割合が高まり、その信頼度は66%アップした。

 日本は前回調査に比べてバックアップ・DRの信頼度が2%アップし、ドイツ、オランダに次ぐ世界3位を維持した。とくにトップ層の67%がバックアップ・DRに積極的で、それを実施するテクノロジーの展開率も65%に達し、いずれも前回調査から10%上昇した。トップ層の支持率に至っては、18か国中第2位。東日本大震災に起因する意識の変化が顕著だ。


 震災後に、日本の企業のバックアップ・DRで、具体的にどのような変化が起きたかをみると、「バックアップのテストを定期的に実施」(64%)、「事業継続プランを導入」(57%)、「バックアップ・DRの作業を行えるスタッフのトレーニングをより多く実施」(53%)など、障害復旧に関する人的な取り組みを新たに開始していた。ただしSMBに関しては、バックアップと障害復旧・運用の予算は依然として厳しく、IT予算に占める割合はわずか6%で、前回調査に比べても1%低下した。予算とリソース不足が課題解決を困難にしている。

日本企業のダウンタイムは平均2.8日、仮想環境の課題も表面化

 米アクロニスの日本法人であるアクロニス・ジャパンによれば、「日本のSMBでは、世界最大となる1社当たり年間67TB(世界平均40TB)の新しいデータが生成され、バックアップが行われている。データの肥大化は顕著だ」(今村康弘マーケティングディレクタ)という。データ量が爆発的に増大しているにもかかわらず、90%のSMBは年間2.8日(世界平均2.2日)のダウンタイムを経験している。システムダウンの要因は、最も多いのが「予定外のアップデートやパッチ」(59%)で、次いで「人為的ミス」(58%)。「改めて、効率的なバックアップ・DRの運用を考える時期にきている」(今村マーケティングディレクタ)といえそうだ。

今村康弘マーケティングディレクタ

 一方、世界ではSMBにも仮想化の波が訪れている。全体としては、約35%が仮想環境を構築し、半数以上がシステム効率化を目的に仮想化を検討している。しかし、SMBが仮想サーバーに蓄積するデータ保護の対策は不十分で、33%の企業が物理サーバーほど頻繁にはバックアップをしていない。また、調査した6,000社のうち、前回調査比で13%増の83%の企業が何らかのかたちでクラウドベースのインフラを導入するなど、クラウドの浸透が顕著だ。バックアップ・DRでも、IT運用コストの削減やストレージ容量の拡張、柔軟性の確保などでメリットがあることから、クラウドを選択するケースが目立つ。だが、企業の4分の1に当たる23%は、こうしたオフサイトのバックアップ戦略が未整備の状態だ。今村マーケティングディレクタは、「物理、仮想化、クラウドに分散したデータのバックアップはより複雑化する」と、新しいシステム環境でのバックアップ・DRの重要性が増していると指摘する。


 そこでアクロニス・ジャパンは、バックアップソフトウェアの最新版「Acronis Backup & Recovery 11」を提案している。物理/仮想環境のDRとデータプロテクションを実現し、ローカルサーバーやワークステーション用のシンプルなソリューションが必要なケースや、組織全体を集中管理する高度な機能が求められるケースにも対応できる。今村マーケティングディレクタは「Windowsサーバーやワークステーション、ノートパソコンを配置し、VMware vSphereやMicrosoft Hyper-Vなどの仮想環境を安価に集中管理したいSMBには最適なソフトだ」と話す。


 「Acronis Backup & Recovery 11」は、物理と仮想環境やWindowsとLinuxのハリブリッドな環境でも簡単に集中管理ができることがユーザー企業に高く評価されている。バックアップ・DRへの関心が一層高まりをみせるなかで、仮想化やクラウド環境への対応の重要性も増している。「Acronis Backup & Recovery 11」は、意識を変化させつつある企業に適したソリューションとして注目を浴びそうだ。

・「アクロニス世界障害復旧評価指標:2012」の詳細はこちら
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外部リンク

アクロニス・ジャパン=http://www.acronis.co.jp/

「アクロニス世界障害復旧評価指標:2012」=http://www.acronis.co.jp/pr/2012/02/07-02-05.html

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