サイオステクノロジーは、HAクラスタソフトウェア「LifeKeeper」シリーズが大幅な成長を遂げている。ミッションクリティカルシステムのプラットフォームにLinuxを採用する動きが広がるにつれ販売本数と売上高ともに伸ばしているのだ。ユーザー企業のニーズを不断に取り込んで進化し、2012年7月には新バージョンの提供を開始。今後は、クラウドサービスとの連携も視野に入れた取り組みも強化していく方針だ。

上期Linuxプラットフォーム 販売本数33%増に

執行役員事業継続ビジネス統括
川田覚也 氏
 「LifeKeeper」シリーズは今年度(2012年12月期)の上期、Linuxプラットフォームの販売本数が前年同期比33%増と、大きな成長を遂げた。川田覚也・執行役員事業継続ビジネス統括は、「ミッションクリティカルシステムのプラットフォームにLinuxを採用する動きが広がっており、その中でとくに通信やWebサービスなどの領域でHAクラスタソフトウェアの導入が進んでいる。また、ディザスタリカバリ(DR)の観点から遠隔地へのフェイルオーバーを目的とした導入も盛んになっている」としている。このようなニーズを吸い上げ、SIerやディストリビュータなどの販売パートナー経由で幅広く拡販する体制を整えていたことが、「LifeKeeper」の伸びを支えた要因だ。

 また、仮想化環境の構築ニーズも高まっていることから、昨年末にはヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware vSphere 5」やLinuxカーネルが備える仮想化機能「KVM」などに対応した「LifeKeeper for Linux v7.5」を発売。川田執行役員は、「仮想化環境下における可用性の向上を積極的に支援していく」との方針を示す。

 「v7.5」の発売からおよそ7か月が経過した今年7月には、「ユーザー企業の運用負荷軽減やユーザビリティの向上につながる機能を積極的に追加する」(川田執行役員)というコンセプトのもと、新バージョンとして「LifeKeeper for Linux v8」の提供を開始した。「v8」では、ユーザー企業や販売パートナーのニーズを反映、とくにログの機能を強化している。これにより、他社の運用監視ツールとの連携もしやすくなり、ミッションクリティカルシステムにおける運用の自動化や負荷軽減の実現に寄与できるようになった。運用監視ツール連携の第一弾としてオープンソースの統合監視ソフトウェアZabbix※との連携を発表した。今後は商用の運用監視ツールとの連携も強化していく方針である。


導入事例が続々と 関西営業所で販社支援強化も

 「LifeKeeper」を導入する業界が拡大していることも販売実績を押し上げている。川田執行役員は、「通信業やITサービス業に加えて、金融、製造の業界でもLinuxの導入が進んでおり、このことから案件が増えている」と好調ぶりを語る。FX(外国為替証拠金取引)をはじめとする証券システムなどでの導入事例も続々と生まれている。川田執行役員は、「直近の動向として、データベースサーバーの高速処理と可用性向上の2つを実現する目的で高速半導体ストレージと組み合わせて『LifeKeeper』を導入する先進企業の動きがある。この動きは他のユーザー企業に広がり、すそ野はますます広がるだろう」と予測する。

 さらに拡販が進む兆しが現れていることを受けて、サイオステクノロジーでは大阪に「関西営業所」を設置した。「販売パートナーを対象とした技術者トレーニングや販売セミナーなどを積極的に展開する」(川田執行役員)という。販売パートナーの支援を強化することで、大阪を中心に西日本で新規顧客の開拓も図っていく方針だ。

 また、ユーザー企業のニーズに迅速に対応していくため、8月に日本に開発組織を設置した。川田執行役員は、「これまでは『パートナーカウンシル』と称し販売パートナーとディスカッションする機会を設け、そこで上がった要望やニーズを米国での製品開発に活かしてきた。

 今回、開発組織を日本にも設置することで、日本のお客様の声をより迅速に製品に反映させることができる」と説明する。

 さらに、クラウドサービスが活況を呈しつつあることからも「オンプレミスとクラウドサービスの連携を強化した機能の拡充を視野に入れている」と川田執行役員。「LifeKeeper」をさらに進化させていく体制を着々と整えている。

※Zabbixは、Zabbix SIAの登録商標です。