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<BCN AWARD 2013>We are No.1──バッファロー 「使い方」を提案する製品に進化 スマートフォン/タブレット関連製品がけん引

2013/01/24 19:55

週刊BCN 2013年01月21日vol.1465掲載

 デジタル家電・パソコン周辺機器の総合メーカー、バッファローは、通信機器とハードディスクの両分野を中心に「BCN AWARD 2013」の8部門でNo.1に輝いた。家電業界が活況を呈した2010年の“地デジバブル”以降、テレビ販売の減速が続くなか、次の商材として期待を集めるスマートフォン関連の製品をいち早く投入したことで、市場全体が冷え込んだこの一年を乗り切った。4月には構造改革を断行し、製品を開発・販売するだけでなく、これまで以上に「使い方の提案」ができる製品を迅速に市場投入できる体制を構築した。こうした12年の状況を踏まえて、13年への意気込みを斉木邦明社長に聞いた。

ユーザーニーズを具現化 AOSS2のスマホ対応がヒット

 バッファローが「BCN AWARD 2013」で獲得したNo.1は、無線LAN部門をはじめとする8部門。このうち無線LAN部門は11年連続11回目、外付けHDDが5年連続10回目、ルータ部門が10年連続11回目と、デジタル家電・パソコン周辺機器メーカーとして圧倒的な強さをみせた。2012年は、11年から推進してきた「ユーザーニーズの具現化」をテーマに製品を開発・販売してきたバッファロー。独自の製品づくりを追求し、特に、12年はスマートデバイス関連で大きな市場を獲得した。

 斉木社長は、「当社が強い無線LAN関連製品は、スマートフォンの普及で成長するなど、スマホ関連が全体をけん引した」と振り返る。おもしろい製品を多く出すことができた」ことで、多くのユーザーの支持を得られたという。

 斉木社長が指摘する通り、スマートフォンとタブレット端末の周辺機器が好調に推移した。例えば、スマートフォンやタブレットにWi-FiでつなぐポータブルHDD「MiniStation Air HDW-PU3」は、外付けHDD製品全体の伸びをけん引した。コンセプトは「家ではいつものHDD。外ではスマートフォンにつなぐHDD」だ。このHDDは、データを持ち出す際に便利なのが特長。データを保存する際はUSB接続で高速転送し、持ち出したあとはWi-Fiにつなぎスマホで手軽に閲覧できる。

 一方、同社の“看板”領域である無線製品の分野では、自社開発の無線LAN設定技術「AOSS(AirStation One-Touch Secure System)」をスマートフォンに対応させた「AOSS2」を搭載した製品を投入。初心者でも迷うことなく設定ができることで人気を博した。さらに、次世代規格の11ac技術を世界で初めて採用した無線LAN「WZR-D1100Hシリーズ」をいち早く投入し、世界的なヒットとなった。

法人向けパートナー制度新設 NASや無線、スマホ利用に対応へ

社長 斉木邦明 氏
 一方、また9月には、法人向け販売を強化するために「VARパートナープログラム」を始動し、製品の売上規模、技術研修への参加、ビジネスプランの共有などで基準を設け、クラス別にパートナーを支援する仕組みを構築した。法人向けNAS「TeraStation」では、データセンターのニーズに応えるハイスペックモデルを追加。さらに管理者にとって導入や管理が容易な「Windows Storage Server 2012」を搭載した「TeraStation WSS」を投入するなど、お客様が要求に応じて柔軟に選べるようにしたという。

 さらに、タブレットやスマートフォンの普及が進んだことにより、無線LANへの関心が増した年で、法人向け無線LAN「AirStation Pro」では、オフィス、教育現場、官公庁、病院、さらには販売現場にまで導入が進み、業界を問わず採用されているという。今後もタブレットやスマートフォンの利用者増加やクラウド連携に対応できる製品開発およびサポートを強化していく方針だ。

 斉木社長は「これだけ多くの部門でNo.1をいただくことができたのは、家電量販店やディストリビュータが、ユーザーと当社製品を結んでいただいたおかげ。13年はさらにおもしろい製品を出すので期待してほしい」と、これまで以上に「使い方提案」のできる製品を出していくことを誓った。

(写真左から)WZR-D1100H、HDW-P500U3


【Analyst Comment】

 スマートフォン/タブレット端末の市場が急速に立ち上がったことによって、無線LAN市場は堅調に推移している。モバイルデバイスだけにとどまらず、薄型テレビ、レコーダー、ハードディスクなど、家庭内のさまざまなデジタルデバイスをつなぐ無線LANは、今後さらに役割が増し、市場は拡大するだろう。(BCNアナリスト・森英二)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
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外部リンク

バッファロー=http://buffalo.jp/