IT資産管理ツールのなかで、クライアント端末を管理するPC資産管理ソフトへのニーズが高まっている。企業は、社内にある端末の管理はもちろん、端末にインストールしているソフトウェアのライセンスまでも管理し、情報漏えい対策やライセンス監査への対応を進める必要があるためだ。調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)によれば、PC資産管理市場は2013年度に前年度比8.8%増の97億円となり、12年度から17年度までのCAGR(年平均成長率)は7.9%と高い成長を続けるという。
また、企業は、ライセンス管理以外にも、利用ソフトウェアのバージョン管理、パッチ適用などのシステム構築・運用環境の改善を図ることでオペレーションコストの削減につなげる「SAM(ソフトウェア資産管理)」の実現にもますます関心を高めており、IT資産管理ツールの導入機運がますます高まっているわけだが、そのなかで各メーカーは新しい製品・サービスを市場に投入することで、さらに需要を掘り起こそうとしている。
エムオーテックスは、2年ぶりのバージョンアップとなる「LanScope Cat Ver.8.0」を今年5月に発売。クオリティソフトは、PC&モバイル端末のIT資産やセキュリティを維持・管理する「ISM CloudOne」の提供に力を注いでいる。
6月には、Skyが、サーバー監査機能(オプション)とレポート機能を強化したほか、マイクロソフトのクラウド版グループウェアサービス「Office 365」の操作ログ収集機能などを追加した「SKYSEA Client View Ver.9.2」を発売。インターコムも、WindowsとMacのクライアント端末を一元管理できる「MaLion 4」に加え、クラウド版「MaLion Cloud(Ver.4.0)」の提供を6月に開始している。
IT資産管理ツールは、社会環境の変化や製品の機能拡充によって、需要の底上げが期待されているだけに、ITベンダーにとって、さらにビジネスを拡大できる商材といえそうだ。