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クラウディアン 多彩な独自機能でストレージ運用を最適化 エンタープライズ企業に向けてオブジェクトストレージの販売を強化

2015/06/11 19:55

週刊BCN 2015年06月08日vol.1582掲載

 社内に蓄積される非構造化データの急増によって引き起こされるシステム性能の低下やデータ管理コストの増大が、企業の大きな課題となりつつある。こうした企業のストレージの問題を解消するのが、オブジェクトストレージの技術だ。クラウディアンは、Amazon S3 API完全準拠のスケールアウト型オブジェクトストレージ製品として「CLOUDIAN HyperStore(HyperStore)」の販売を、エンタープライズ企業に向けて強化している。オブジェクトストレージを最適規模やスモールスタートで導入したい企業にもそのメリットは大きいという。

Amazon S3 APIに完全準拠 エコシステムを最大活用

石田徹
営業ダイレクター
 クラウディアンは、クラウド、オンプレミス環境でハイブリッドに活用できるHyperStoreのエンタープライズ企業への販売を強化している。HyperStoreは、ニフティやNTTコミュニケーションズ、NTT東日本をはじめとする国内外の大手サービスプロバイダが提供するクラウドサービスのストレージ基盤に採用されているが、エンタープライズ企業にもHyperStoreの導入メリットは大きいという。

 石田徹・営業ダイレクターは、「ハードウェアアプライアンスでも、ソフトウェアでも利用できるのがHyperStoreの大きな特徴。ハードウェアアプライアンスの場合、パートナーが取り扱っているIAサーバーにHyperStoreをインストールした状態で展開できるので、パートナーにとってもメリットがある。一方で、社内に余っているIAサーバーを有効活用したいという観点から、ソフトウェアのHyperStoreを導入する企業も増えている」と説明する。

 HyperStoreのオブジェクトストレージとしての最大の優位性は、Amazon S3が提供しているオープンAPIに完全準拠し、互換している点だ。これによって、接続先をHyperStoreに変更するだけで、Amazon S3と連携するさまざまな既存のアプリケーションと接続することができる。Amazon S3に対応するツールやアプリケーション、サービスは1000種類近く存在しているが、「いろいろなベンダーと接続試験を行っているが、つながらなかったことは一度もない」(石田ダイレクター)という。HyperStoreを導入することで、クラウドストレージの事実上の標準となっているAmazon S3のエコシステムをそのまま活用することが可能になる。


スモールスタートが可能 コストを最適化するストレージ

 エンタープライズ企業は、ファイルサーバーなどのストレージにNASを導入しているケースが多いといえる。DR(災害復旧)やBC(事業継続)のために、地域をまたいで広域に一つのクラスタを組むことは、NASでは難しいが、HyperStoreであれば、それを実現する「ジオクラスター」構成は標準装備だ。また、「オブジェクトストレージをスモールスタートで導入したい企業にとっても最適」と石田ダイレクターは語り、こう説明を加える。

 「エンタープライズ企業の多くは、たとえ数ペタバイトまでスケールアウトできる製品であっても、数十テラバイトの規模からスモールスタートしたいという要望をもっている。HyperStoreは2台(3台推奨)から構築でき、スモールスタートに適したオブジェクトストレージだ。しかもオンラインで増設できるので、システムを止めずにスケールアウトすることができる」。

 さらにHyperStoreは、オンプレミスストレージとAmazon Web Services(AWS)間で、バケット単位でデータを自動階層化できる。AWSはデータ転送量を元に課金されるため、参照頻度の高いデータを格納するとコストが上がるが、HyperStoreのデータ自動階層化機能により、参照頻度の高いデータをオンプレミス側に格納し、頻度が低くなった段階でAWSにポリシーベースで移すという運用でストレージ全体としてのコストと効率性を最適化することが可能になる。

 また、HyperStoreはデータの冗長化の際に複製方式もしくはイレージャーコーディング方式をバケット単位で選択でき、同一クラスタ内でデータ保護方式を混在させることができる。イレージャーコーディング方式を選ぶと、複製方式に比べて容量を節約できるので、ビット単価を下げたい場合は有利になる。「使い過ぎを防ぐQoS機能や課金管理機能、GUIベースの管理ツールなど、オープンソースソフトウェアにはない豊富な機能も、HyperStoreを選ぶメリットだ。チャネルパートナーや、自社サービスにHyperStoreを組み合わせて提供するCLOUDIAN HyperStore Readyプログラム認定パートナーを通して、エンタープライズ企業に向けてHyperStoreをさらに訴求していきたい」と石田ダイレクターは意気込みを語る。

「INTEROP TOKYO 2015」に出展

クラウディアンは、6月10日から12日まで幕張メッセで開催される「INTEROP TOKYO 2015」に出展する(ブース番号:5N25 SDI ShowCase)。ブースでは、HyperStoreのハードウェアアプライアンスの展示が行われる予定だ。さらに、HyperStoreが複数拠点間にデータを分散配置・複製するデモも実施されるという。ブースに足を運んで、マーケットをリードするオブジェクトストレージ製品を体感してみてはいかがだろうか。

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外部リンク

クラウディアン=http://cloudian.jp/