軟脳軟件(北京)(ソフトブレーンチャイナ、宮原武史董事長総経理)の中国事業が好調だ。主力製品の営業支援システム「eセールスマネージャー」は、現在約160社が利用中。導入コンサルティングや手厚いアフターサービスを強みとして、ここ数年間は90%以上の契約更新率を維持している。宮原董事長総経理は、「お客様の収益の最大化」を命題として、今後はシナジー効果が期待できる日系ITベンダーの製品・サービスを積極的に扱っていく方針を示している。

約160社がサービスを利用

宮原武史
董事長総経理
──中国事業の進捗について教えてください。

宮原 当社は日本向けのオフショア製品開発を目的に1997年に北京で設立され、最大時には200人を超える技術者を抱えていました。しかし、8年ほど前に上海分公司を立ち上げてからは、営業支援システム「eセールスマネージャー」の中国国内での販売事業にビジネスモデルを転換しています。現在、約160社のお客様が当社サービスを利用しています。

──御社の強みはどこにあるとお考えですか。

宮原 充実した導入支援コンサルティングと手厚いアフターサービスです。システムは販売して終わりではなく、導入後にお客様がしっかりと活用して、営業効率を向上しなくては意味がありません。

 とくに中国は、日本とは環境が違います。営業活動の見える化をしたくても、営業担当者が情報を入力してくれなかったり、情報共有を目的に導入しても、情報が会社の外部に漏れてしまったりするなど、日本と同じやり方では通用しないことがあります。こうした中国独特の事情を加味したうえで、お客様が中長期的に営業効率を向上できるようにお手伝いできることが、当社の最大の強みです。

自然と営業成績が伸びる

──実際にユーザー企業は営業効率向上に成功しているのでしょうか。

宮原 はい。お客様に評価されているからこそ、90%以上の契約更新率を維持できているのです。今年に関しては、まだ解約されたお客様はいません。

 あるお客様では、2年間の支援を通じて、売上高を30%拡大することができました。そのお客様は、営業担当者の訪問件数をKPIに設定するところから始めて、訪問件数が伸びてきた後には、成績のよい営業担当者と、そうでない営業担当者の違いを分析するなど、営業効率を改善するためのアプローチを続けていきました。

 一つ、ここで言いたいことがあります。中国では、「人脈がないと売れない」という話をされる方が大勢いらっしゃいます。確かに、特定の業種では、そうした傾向もあるでしょう。しかし、これまでの中国での営業支援の経験から、成績のよい営業担当者と、そうでない営業担当者の行動パターンには、必ず違いがあると断言できます。つまり、成績のよい営業担当者は、行くべき顧客に必ず通っていて、そうでない営業担当者は、行かなくてもいい顧客を訪問しているのです。成績のよい営業担当者は、自然と営業成績を伸ばすための正しいアクションを行っています。これを詳しく分析して、成績のよくない営業担当者に適用させることこそが、営業効率の向上につながるのです。

日系ベンダーの製品を中国へ

──今後のビジネス展開について教えてください。

宮原 当社の企業ミッションは、営業効率の向上によって、お客様の収益の最大化に貢献していくことです。これまでは、「eセールスマネージャー」を通じて支援してきましたが、提案できる価値をさらに高めたい。当社とのシナジー効果が期待できて、しかも、お客様の収益最大化に貢献できる日本のいい商材があれば、積極的に紹介していきたいと考えています。当社が代理店となって、アフターサービスまで含めて販売することを想定しています。既に幾つかの製品・サービスの代理販売を開始しています。

──どんな日系ベンダーとシナジー効果が期待できますか。

宮原 現時点で当社のお客様は、自動車や製薬、医療機器、精密機械、原材料、部品メーカーなどのBtoB企業が多いので、こうした領域に対して製品・サービスを提供している日系ITベンダーは、シナジー効果を発揮しやすいのではないかと考えています。この領域のお客様のニーズは熟知していますので、販売面で強固にサポートできるでしょう。

 また、当社は日系企業のお客様がメインではありますが、最近では、中国ローカル企業のお客様も全体の3割を占めるまでに拡大しています。そういった意味では、日系ITベンダーのローカルビジネスを支援することができるといえます。

 さらに、現在はまだリーチできていない領域の企業も、積極的に開拓していきたいと考えています。当社は、中国のBtoB分野に強いマーケティング会社に出資をして、パートナーシップを結んでいます。この会社と連携して市場調査を行うなどして、新たな領域の開拓も支援することができます。

 中国にまだ進出されていない日系ITベンダーにとって、今から現地に拠点を設けることは大変な労力を要します。ぜひ手を結んで、一緒に中国で企業の収益最大化をお手伝いしていきたいですね。