「BCN Confenrence 2015」のIoTセッションで、「『ものづくり』よりも『顧客情報』がカギを握る」と説いたのは、矢野経済研究所の忌部佳史・ICT・金融ユニット主任研究員。「IoT時代の製造業向け企業情報システム像」と題して、第4の産業革命といわれる「インダストリー4.0」で可能な生産プロセスやマスカスタマイゼーション(個別品の大量生産)を実現するために必要な取り組みについて説明した。

忌部佳史
主任研究員
 ドイツでは、設計から生産、販売までの製品関連データと、受発注から製造実行の生産関連データをリアルタイムに解析して相互にフィードバックすることで一連のサイクルを最適化・効率化する動きが出てきており、消費者ニーズが多様化する将来を見据えて1ロットあたりの生産リードタイムの削減や在庫の削減を目指している。これがインダストリー4.0による情報システム像という。関連ソフトウェアの市場規模は、2014年で181億ドル(日本円で約2兆1800億円)だったが、18年で285億ドル(約3兆4200億円)まで拡大。「インダストリー4.0は、ものづくりのブラックボックスを減少させ、ビジネスモデルやデザインを重要視している」と訴えている。

 マスカスタマイゼーションの実現については、「自律型・多能工型の工作機械やロボットを用いた汎用的なラインをもつこと、最大需要を越えたときに類似クラスターを活用できるかどうかがカギ」としている。