SAPジャパンの使命は、もちろん企業として収益を確保することだが、それだけではない。地球・人類の発展に向けて、どのように貢献できるのかを視野に入れてビジネスを展開している。デジタル化によって、さまざまな領域で新たな価値が生み出されようとしており、ユーザー企業がビジネスを再創造することができる「コア」と「プラットフォーム」を重視。IT化による経営革新やワークスタイルの変革が叫ばれている今、ユーザー企業が何をすべきかを模索しているなか、オープンな製品・サービスの提供によってパートナーとユーザー企業のメリットにつながる取り組みを追求している。

地球・人類の発展に向けた取り組みを

 

亀田 俊
パートナー統括本部
パートナービジネス開発本部
本部長

 SAPは今、グローバル全体で「The Global Goals for Sustainable Development(持続可能な開発のためのグローバル・ゴールズ、The Global Goals)」というテーマを念頭に置いてビジネスを展開している。このテーマは、環境保護や格差是正を図りながら2030年までに世界から貧困をなくすことを目指すというもので、国連と市民社会との連携によって実現することを目的としている。SAPジャパンの亀田俊・パートナー統括本部パートナービジネス開発本部本部長は、「この実現を視野に入れて、ビジネスを手がける必要がある。地球・人類の発展に向けて取り組まなければならない」とかみ締める。これを踏まえ、SAPジャパンでは、すでに始まっているデジタル化(第四次産業革命)に対応していく。

 デジタル化については、過去2年間で90%のデータが世界で生成されたこと、20年までに90億人のモバイルユーザーが存在すること、20年末までに2120億のモノがインターネットにつながるようになり、非連続な技術やビジネスモデルによって短時間で新たな価値が生まれるようになる。「IoT」をコンセプトに、デジタルと物理の世界が融合することになれば、フラット化する時代が訪れるようになる。「そのような流れのなかで当社は、お客様に新たな価値を提供するビジネスを手がけていく」としている。
 

“THE GLOBAL GOALS”への貢献ー地球・人類の発展に向けて

“リアライザー”になることがカギ

 SAPは、15年にグローバルで売り上げと営業利益ともに過去最高を記録した。けん引役の一つがクラウドサービスだ。10年に0%だったクラウド比率は15年に32%に成長。17年には、50%以上に引き上げる計画を立てている。亀田本部長は、「クラウドが急速に伸びたのは三つの理由がある。一つは、クラウドによって以前から提供しているアプリケーション群の利用を圧倒的に簡素化したこと。二つめは、これまでのITでカバーできなかった領域へのITの適用を可能にしたこと。三つめは、クラウドがビジネスをまったく新しいやり方で再設計することを実現したこと」と語る。

 クラウド比率の向上は、統合プラットフォーム「SAP HANA」の存在が大きく、今ではISVやパートナーのソフトウェアに対応するオープンなプラットフォームとなっている。また、PaaSとしての「SAP HANA Cloud Platform」の投入によって、SAP HANAを活用したアプリケーション開発から統合運用環境まで、ITの幅広いレイヤのソリューションを、パートナーと協業してユーザー企業にワンストップで提供できるまでに進化している。

 数ある製品・サービスのなかで「デジタルコア」として効果を発揮するのが「SAP S/4 HANA」だ。亀田本部長は、「あらゆる情報と業務をつなぐ、シンプルかつ拡張性にすぐれたデジタルコアがユーザー企業のビジネスを再創造する」とアピールする。IT基盤のコア部分は、シンプルで情報が清流化されて、企業間の連携、商材が増えることでの人材育成、IoT、オムニチャネルなど先端の変化に柔軟に対応できる必要がある。それを、SAP S/4 HANAが実現するというわけだ。

 「16年を『デジタル元年』と捉えて、時代を勝ち抜くビジネス変革をいち早く実現したいと考えるユーザー企業のベストパートナーとして、ビジネスを変えるITの実現に注力し、ビジネスバリューを追求していく。そのなかで、パートナーが夢を現実のものとする“リアライザー”になるエコシステムを構築していく」と、亀田本部長は訴える。