セゾン情報システムズは、データ加工・変換ツール「DataMagic」の最新版となるバージョン3.0を5月17日にリリースした。データ変換エンジンの刷新によって、従来のバージョンよりも高速化を実現したほか、機能追加や強化が加えられている。また、6万円という業界屈指の低価格で購入できるWindows用デスクトップ版も用意し、データ分析ニーズの拡大に合わせて新たな用途の開拓も図っている。

基幹系でも安心の高速データ変換を実現 実績豊富なHULFTファミリー製品

 DataMagicは、セゾン情報システムズの主力製品であるファイル転送ツール「HULFT」の関連製品として2007年に発売されており、数年ごとにメジャーバージョンアップしながら機能が強化されている。HULFTとの組み合わせで利用されることが多いが、単体での導入も可能で、これまでに2500ライセンスが出荷されて約600社が利用している。

吉崎智明氏
HULFT事業部
システムエンジニアリング部
 大きな特徴は、豊富な機能、高い開発生産性、高速なデータ変換、そして低コスト導入の4点だ。とくに高速性は、HULFTと組み合わせて基幹系システムで使われるケースが多いことから、大容量データを変換したいというニーズがあり、以前から強みとしてきたものだ。例えば、りそな銀行では情報系システムでの文字コード変換において、数百GBものデータを30分以内で処理する要件をクリアして採用された。

 「具体的には、データ変換エンジンをC言語で開発し、OSプラットフォームごとに最適化したネイティブモジュールとしてつくっている。さらにバージョン3.0では、マルチスレッド処理を取り入れて一層の高速化を図り、他社製品と比べてテキスト変換で30倍、CSV変換で10倍の性能を達成した」とHULFT事業部システムエンジニアリング部の吉崎智明氏は説明する。
 バージョン3.0では高速化のほか、いくつかの機能の追加や強化も行われている。新たに追加された仕様書出力機能では、インテグレーションやメンテナンス時に、別途手作業で仕様書を作成する手間をなくすことができる。DataMagic上で定義したデータ変換処理の内容を文書として出力するものだが、他社ツールではPDF形式などで出力することが多いのに対し、DataMagicはExcel形式にして加筆や編集を容易にした。出力された仕様書に手を加えたいというユーザーからの高いニーズを踏まえた機能の追加だという。

格段に低価格化したデスクトップ版で新たな市場の開拓に挑戦

 DataMagicの特徴として挙げられている低価格についても、差異化が図られている。クライアントで処理内容を定義したり、処理履歴を確認してサーバーで変換処理を実行したりするクライアント/サーバー版に加え、新たにスタンドアロンで実行するデスクトップ版も用意。より低コストで利用できるようになったのだ。クライアント/サーバー版でも競合製品より格段に低価格な点を特徴としているが、デスクトップ版は6万円からという破格の安さを実現している。


 「データ変換のニーズのなかには、例えばシステムを入れ替えるSIプロジェクト内でのデータ変換など、ピンポイントで発生する場面もある。こうした状況でも手軽に利用してもらえる価格に設定した。こうした利用場面でも、標準ツールとしてDataMagicの実績をつくっていき、認知度を高めていきたい」と吉崎氏はアピールする。

 クライアント/サーバー版が主にサーバー間の定期的なデータ連携での利用を想定しているのに対し、デスクトップ版では臨時に発生するデータ変換作業や、これまで半ば手作業で行われていたデータ変換に対応していこうというわけだ。これにより、データ変換ツールの新たな市場開拓も図っていく。

 吉崎氏は、「この価格なら、エンドユーザー自身のデータ変換ニーズにも対応することが可能だ。Excelでのデータ変換は職人的な作業で属人的になりがちだが、DataMagicなら誰でも簡単な変換処理が可能で、データ分析業務全体の効率化も図ることができる。今後は、こういったニーズを掘り起こしていくため、これまでのエンタープライズ方面に強いパートナーだけでなく、より小さな規模の企業に強いパートナーも開拓していきたい。また、分析や会計といったパッケージのベンダーとのコラボレーションも考えている」としている。

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