Special Issue

ウイングアーク上海/文雅科信息技术(上海)有限公司 部門・拠点間のデータ統合によるBI全社基盤

2016/09/28 19:55

週刊BCN 2016年09月19日vol.1645掲載

 ウイングアーク上海のBIツール「Dr.Sum EA」は、日本企業の本社が導入している場合、その高い信頼性から他社製品との比較なしで、中国でも導入されるケースが多い。蓄積してきたさまざまなデータを業務現場のみならず、経営判断や販売戦略の意思決定に活用する必要性が高まっているからだ。実際に導入する能率(中国)投資有限公司(ノーリツ中国)の事例とともに紹介する。

 中国に製造拠点や販売拠点を複数構える日系企業は、拠点間でシステム連携をしていないケースが多く、必要に迫られて手動でデータを抽出して分析する企業も少なくない。また、エクセルを利用することも多く、日々増え続けるデータをさまざまな角度から的確に分析することが瞬時にできず、貴重なデータを十分に生かしきれていない。

(左から)大金直樹 上席技術顧問、大垣考広 董事総経理、溝渕全人 技術総監

 Dr.Sum EAは、こうした課題を解決する全社基盤のBIツールだ。利用するユーザー数を制限しないクライアントフリーのため、複数拠点を構える日系企業に非常に有用だ。溝渕全人・技術総監は、「エクセルでは不可能な集計や分析を瞬時に実現する」と説明する。

 すでに中国でも約200社が導入している。日本では5000社超の実績があり、「本社で利用する日系企業は、中国現地で他社製品と比較検討せずに採用される」(大垣考広董事総経理)ほど高い信頼が寄せられている。中国では今後の事業拡大に向けた需要予測のニーズが急速に高まり、統合データによる分析が必要不可欠となりつつある。

 だが、海外拠点は日本と比べてシステム運用に充てる人的リソースも少なく、データを集計・分析するための業務の運用も自前では十分に行えないのが現状だ。そこで、ウイングアーク上海は今年からコンサルティング部門を新設。日系企業が抱える業務やシステムの課題を把握し、マスターデータのメンテナンスなどBIの運用ノウハウの提供を開始した。

同部門責任者の大金直樹上席技術顧問は、「お客様の会社の社員になったつもりで業務を教えていただき、データ分析を日々の業務運用の仕組みとしていかに構築するかをサポートするのが役割」と説明する。さまざまな業種でそれぞれ業務は違っていても、“データを有効に分析するための仕組みづくり”という観点からは共通する部分が多いという。
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