「Microsoft Azure」を基盤としたIoTソリューションについて、日本マイクロソフトとクラウドディストリビュータである東京エレクトロンデバイス(TED)が共同セッションで紹介した。中堅・中小企業のユーザーに向け、AI、コグニティブサービス、機械学習を絡めたIoTソリューションによるビジネス提案や、デバイスからクラウドまでパッケージ化したIoT商材についても解説したほか、IoTソリューションを通した協業の提案、支援プログラムも紹介した。

CSPが販売しやすい環境へ日本マイクロソフトが支援

中嶋信行
日本マイクロソフト
SMB営業統括本部
CSPパートナー営業本部
シニアクラウド
セールスマネージャー

 セッションの前半に登壇した日本マイクロソフトの中嶋信行・シニアクラウドセールスマネージャーは、Microsoft Azureの機能を中心に紹介した。

 まず、取り上げたのがMicrosoft Azureのライセンス体系で、CSP(クラウドソリューションプロバイダー)プログラムを紹介した。これによりパートナーがもつサービスやアプリケーションとMicrosoft Azureを組み合わせ、統合ソリューションとして顧客へサービスを提供することができる。さらにパートナーは日本マイクロソフトとエンドユーザーとの間に入って、マージンをしっかり確保できる。次いで、Microsoft Azureが提供する機能を解説。「パブリッククラウドはIaaSとPaaSを提供しているが、現在の顧客の興味はオンプレミス環境をPaaSに移すという商談が中心で、7割を占める。残りは蓄積しているデータを機械学習させて活用するという商談が多い」と中嶋マネージャーは語る。

 そして、AI事例としてLINEのサービスに登場した女子高生人工知能「りんな」を紹介した。これは、マイクロソフトがグローバルで展開しているBing検索エンジンで培ったディープラーニング技術と、機械学習のクラウドサービス「Azure Machine Learning」を組み合わせることで生まれた新しいコンセプトの人工知能で、LINEのプラットフォーム上でユーザーと交流するもの。東京サマーランドではCognitive Servicesを活用し、来場者の数や性別、世代、表情などの分析を行っている。

マイクロソフトのR&D投資は世界第4位で、7割をデータセンター(DC)に投資している。世界約30拠点にDCが稼働し、ネットワークは世界第2位の規模、DCは同じリージョンで冗長化されている。日本も同様に東日本と西日本で冗長化されており、片方に支障が生じても顧客のデータは保護され、世界最高レベルの安全性を確保しているという。加えて、Microsoft Azureはオープンクラウドで、幅広い選択肢を提供していることも強調した。


 最後に、中嶋マネージャーが紹介したのは、Microsoft Azureの販売パートナー向け特別技術支援プログラム「Azure Mentor Program(AMP)」。「半年で5社の受注を目指していただけるパートナーの方々には、当社がAzure技術者をお付けし、案件受注のための技術支援を行う。さらに、パートナーが保有するアプリケーションのAzure対応を進めていただければ、それらのアプリの販促支援を提供する」とアピールした。

デバイスとAzureを組み合わせ独自のIoTソリューション

西脇章彦
東京エレクトロンデバイス
IoTカンパニー
エンベデッド
ソリューション部
部長代理

 後半は、東京エレクトロンデバイスの西脇章彦・IoTカンパニーエンベデッドソリューション部部長代理が登壇し、SIerや販社に向けて「Azure IoTソリューション」を通じたビジネス協業を提案した。

 「当社は、日本マイクロソフトと20年以上のビジネスパートナーで、とくに組み込み系に強い。2016年4月、Microsoft Azure CSPプログラムによりAzureのディストリビュータにもなったことによって、従来のさまざまなデバイスとMicrosoft Azureを組み合わせたIoTソリューションを提供できるようになった」と西脇部長代理は語る。

 次いで、紹介したのが同社のAzure IoTソリューションである。

 まず、「Azure IoT PoCキット」は各種センサからIoTゲートウェイ、Azureまでワンパッケージで提供するもの。「価格は10万円以下。同キットを利用することで、データ取得、データの蓄積、分析(可視化)までが可能となり、さまざまなIoTのPoCを簡単かつスピーディに始めることができる」とデモを交えて紹介した。

 「Azure IoT ハンズオントレーニング」は、クラウド、またはデバイスに不慣れなユーザーに向けて、AzureのIoT Hub、アナリティクス、ストレージ、Power BIの各機能の使い方を学習するためのトレーニングを提供する。また、マシンラーニングの演習を行う中級編もある。

 「Azure Certified for IoT取得支援ラボ」は、デバイスメーカーに向けてAzure IoT Hubとの接続認定を受けるために支援を行うもの。「IoTコンセプトムービー製作サービス」は、クラウドビジネスのコンセプトを映像として具現化し、社内での理解を深めることに活用されているという。

 最後に、西脇部長代理はリセラー向け支援プログラムを紹介。「営業・技術サポートを提供することに加え、リセラーの方々がMicrosoft Azureの見積、利用状況、販売管理に役立てることができるTED Azureポータルサイトの運用を17年1月に開始する。当社は、Azure IoTソリューションを通じて、パートナー企業の皆様とビジネスを拡大していく」と語って講演を終えた。