ラインアップが充実 新たな販売モデルも開始

――市場拡大に向けた施策、今後に投入する製品を教えてください。

浮田 このほどVxRailに続き、Nutanixソフトを搭載するXCシリーズでも最小構成を小さくした廉価版を発表しました。小規模なシステム環境でもHCIの導入をしやすくしていきます。また、オープンソースをベースとする「Pivotal Cloud Foundry」をHCIに採用したり、「EHC(エンタープライズハイブリッドクラウド)」で「VMware vRealize Suite」をセットにするモデルやVDI(デスクトップ仮想化)のソリューションモデルを提供したりと、HCI+αの製品を年内にリリースしていきます。

 もう一点、5月に米国・ラスベガスで開催した「Dell EMC World」で発表したコンサンプションモデル、つまり買い取りではなく初期費用はゼロで、使用した分だけを月単位の支払いで利用できる「Cloud Flex for HCI」という新プログラムを日本でも提供していきます。これは、XCシリーズとVxRailを対象として、導入から1年を経過すると、導入製品の一部もしくはすべてを任意の時点で返却することができるというプログラムです。われわれもリスクを取って、導入のハードルを低くしていきます。

石田 HyperFlexの拡張をさらに進めていきます。最新のVer.2.5で、データ保護機能や暗号化、セキュリティの強化などを実施しました。現状は、対応するハイパーバイザーがVMwareだけですが、今秋に発表予定の「Ver.3.0」ではマイクロソフトの管理体系に取り込むことができるようになるなど、これからはHyper-V対応はもちろん、Azure PackやSystem Centerにも対応していきます。

 また、「Ver.2.1」からリリースされた「HyperFlex Edge」という1Gbpsのネットワークに対応した小規模環境向け3ノード固定構成の製品に加え、Ver.3.0に合わせて2ノード版もラインアップに追加します。

 将来的には、管理ツール製品群をさらに統合、そしてクラウド(SaaS)として提供する選択肢を加えることで、サーバー自体はオンプレミスにありながら、クラウドで管理するという環境を実現し、新しいビジネスモデルが提供できると考えています。同様のクラウド管理モデルは、すでに一部ネットワーク製品やセキュリティ製品で「Cisco Meraki」ブランドで多くの実績があり、日本国内においてもものすごい勢いで成長しています。単にシステムの管理だけでなく、マシンラーニングと連動したレコメンデーション機能やアナリティクス機能もクラウドベースで提供が可能になります。

 当社のラインアップは、昨年で完成しました。ビジネス面での施策は、DC(データセンター)/エンタープライズとSMBの二つに分けて考えています。

 SMB向けでは、NutanixのXpressという普及価格帯のライセンスがあります。同ライセンスが載る「HX2000シリーズ」は、構築のプロフェッショナルサービスをオプションで付けることができるので、さらに販売しやすいということを、パートナーの方々に訴求します。

 DC/エンタープライズ向けでは、Nutanixに大規模システムでの活用を見据えた技術ロードマップがあります。例えば、Nutanix自身をオブジェクトストレージとして機能させる計画や、クラウドオートメーション機能、ネットワークのセキュリティ強化のためマイクロセグメンテーション機能の実装などを計画しています。これらを含めた「エンタープライズクラウド」という、Nutanixのビジョンをわれわれが理解してパートナー様に伝えていきます。

 HXシリーズの投入で、サーバー「System x」のパートナーでない方々とのつき合いが始まりました。これをきっかけに、ハードウェアが中心だった方々に新商材として広く提供していきたい。また、従来のパートナー様には、顧客のシステム更新期に合わせてHXシリーズを訴求するお手伝いをしていきます。

――顧客へのHCI販売で、(従来製品と比べ)パートナーが注意すべき点はありますか。

石田 販売で難しい点の一つが、実機の検証です。とくに、HCIはまだまだシステムインテグレーションのナレッジが不足しています。その問題を解消するため、当社ではソリューションの導入を容易にする「Cisco Validated Design(CVD)」という用途別の構成ガイドを以前から公開しており、HyperFlexでも用意しました。活用いただくことでリスクを軽減し、構築期間の短縮にも役立つと思います。

 ユーザー様の本来の目的は自社ビジネスを伸ばすためのITサービスやアプリケーションであり、その下のレイヤの調整には手間をかけたくないというのが本音です。従来、多くの手間がかかっていた部分を一体化できるのがHCIであり、その点を理解したうえでユーザー様に価値を提供できるかが大きなポイントだと思います。

浮田 HCIはサーバー、ストレージ、仮想化基盤の三層を一体化していますが、実際には三層構造で、それを理解したうえでのオペレーションが必要であり、すべてがHCIで解決できるわけではないということも知っておいてほしいと思います。
 

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