ジャストシステム創業者の浮川和宣社長率いるMetaMoJi。手書き日本語入力ソフト「mazec」など、タブレット向けアプリケーションを開発・販売している。同社製品は、マイクロソフトのOffice製品では手の届かない、「現場」に普及している。建設現場や小売店舗など、PCでキーボード作業することがままならない現場にだ。「働き方改革」関連で、デスクワークをするビジネスパーソン向けのソリューションは多く出ている。だが、それだけでは、国内全体の「働き方改革はできない」(浮川社長)。浮川夫妻に対面で取材したのは、ジャストシステム時代だから、10年ぶりだろうか。その迫力に圧倒されながら、同社戦略を取材した(谷畑良胤)。

 MetaMoJiの浮川和宣社長は、9月22日(金)に大阪の梅田スカイビル スペース36で開催する「BCN Conference 2017 in OSAKA」(主催:BCN)で、「タブレットが開く新しいITビジネス」と題し講演する。
聴講希望者は、以下のリンク先からお申し込みください。
https://reg26.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=nc-nfogl-c98332aba68c99fe4dfbda5b14502749

iPadで衝撃うけ、PCのない「現場」を改革


――谷畑 最近のMetaMoJiは「働き方改革」を前面に押し出し、自社製品を揃えている。どんな部分で貢献しようとしているのか。

浮川和宣社長 「働き方改革」がいわれている。当社が提供している手書き日本語入力ソフト「mazec(マゼック)」(http://mazec.jp/)などのソリューションは、まさに「働き方改革」を実現する。「働き方改革」は、全業種・全職種にかかわる課題だが、当社で改革が必要と考えているのが「現場」だ。仕事を早く仕上げるための解決策がないということに、大きな問題を感じている。
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MetaMoJiの浮川和宣社長(左)と浮川初子専務

――谷畑 御社ならば、具体的な解決策があると。

浮川和宣社長 当社の製品は、仕事の生産性を上げることを目的に開発している。精神論や心構えで、時間を短縮する策を挙げる人がいるが、より具体的に時間を短縮したり、働く内容がさらに良くなるということをソフトで実現した。ホワイトカラーの働き方を改革するためのITは、行き渡りつつある。一方で、PCが普及していないブルーカラーの「現場」は、手つかずの状況にある。

――谷畑 そこで、ラップトップ型のPCが配布できない「現場」向けに、タブレットなどを使った製品を提供していると。

浮川和宣社長 タブレットという形態の端末が登場したことで、新しいことが、どんどんできるようになった。「そんなことはやっている」というメーカーさんや販社さんはいると思う。ですが、当社の製品は、より具体的に改革を実現するツールになっている。
 
――谷畑 iPadが登場し、多くの企業でタブレットが導入された。だが、使われずに机の中にしまわれたままの会社が多い。

浮川和宣社長 当社の製品は、コンセプトが異なるので、使われずに埋もれることはない。そもそも、タブレット用にアプリケーションを開発しようとするメーカーが、もの凄く少ない。ブラウザベースのソフトを開発するメーカーはある。MetaMoJiを設立(2009年)した直後にiPadが登場した。日本でiPadが発売される前にハワイまで行き、実際に買ってきた方がいて、それを見せてもらった。「これは凄い」と、iPadの日本発売と同時にソフトの提供を開始した。

浮川初子専務 私たちは、ジャストシステムでPC向けのソフト開発を何十年とやってきた。PCは人をもっと助ける道具と思っていた。だが、PCは持ち歩ける場所が限られている。iPadを見た時、もっとパーソナルな端末になると感じた。持ち歩くときは、キーボードを使わないでしょ。そこで、ピンときて、手書き日本語入力ソフトmazecなどを生み出した。

 ジャストシステムでPCの黎明期に日本語変換ソフトを提供した。iPadを見た際、その時のように時代が変わると感じた。iPadでどう時代を変えるかと考えたとき、日本人にとっては日本語入力のハードルが高く、やはりキーボードに頼ろうとする部分に着眼した。PCの素人でも、日本語入力できる手書きで日本語認識・変換することを考案することをまず考えた。

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