ソフトクリエイトは2018年12月、エクスジェン・ネットワークスと資本業務提携し、統合ID管理領域のソリューションへの注力姿勢を鮮明にしている。両社は共同開発したIDマネジメントソリューションをソフトクリエイトのクラウドサービス群「SCCloud」にラインアップし、さまざまなクラウドアプリケーションをつなぐセキュアな統合認証基盤として提供していく方針だ。2月22日にソフトクリエイトが都内で開催したユーザー向けイベント「SC Relationship 2019」では、「Connect the Future」をメインテーマに掲げ、“Connect”のためのコアソリューションとして統合ID管理の重要性を訴えた。

現代の多様なワークプレイスに対応するIDプラットフォームサービス

SCCloudに統合ID管理が
新たにラインアップ


 SC Relationship 2019の冒頭、ソフトクリエイトの林宗治社長は、イベントテーマである「Connect the Future」に込めた思いを説明。「今年は“つなぐ”がキーワード。ソフトクリエイトが提供するサービスの範囲を広げるにつれ、当社単独では提供できないものが増えてきた。シナジーが期待できる有力な他企業と連携することで、お客様のニーズを広くカバーしていく」とした上で、昨年12月に発表した統合ID管理ソフトウェアのトップベンダーであるエクスジェン・ネットワークスとの資本業務提携をその代表例として挙げた。
 
ソフトクリエイト
林 宗治
社長

 両社はエクスジェン・ネットワークスの統合ID管理ソフト「LDAP Manager」をベースに、SCCloud上で提供するソリューション「LDAP Manager on SCCloud」を共同開発している。SCCloudは、マイクロソフトのディレクトリサービス「Active Directory」やサイボウズのグループウェア製品、オービックビジネスコンサルタント(OBC)の基幹業務ソフトなど幅広い商材をニーズに合わせて組み合わせて使うことができるクラウドサービスだ。LDAP Manager on SCCloudは、SCCloud上のクラウドアプリケーションはもちろん、「Azure AD」とも連携し、他のクラウドアプリケーションも含めて複雑な権限設定にも柔軟に対応できる統合ID管理が可能(図参照)。シングルサインオンをオールインワンでサポートするIDプラットフォームサービスとして4月1日にリリースする予定だ。まさに、ソフトクリエイトとエクスジェン・ネットワークスの“つながり”により、多くのクラウドサービスをセキュアに“つなぎ”、情報システム運用の負荷低減と効率化、また働き方改革のコアともいえる「多様なワークプレイスへの対応」を実現するキーになるソリューションをつくりあげたといえよう。
 

LDAP Manager on SCCloud
https://www.sccloud.jp/product/ldap-manager

Azure ADとも連携
月額9万円からの提供


 SC Relationship 2019では、ソフトクリエイトの統合ID管理への注力を象徴するように、メインプログラムとして「『ID Platform構想』が作る未来」をテーマにトークセッションを行った。林社長に加え、同社の引間賢太・執行役員技術本部長、エクスジェン・ネットワークスの江川淳一代表取締役、日本マイクロソフトの細井智・業務執行役員パートナー技術統括本部長が参加した。
 
ソフトクリエイト
引間賢太
執行役員
技術本部長

 まずはソフトクリエイトの引間執行役員が、統合ID管理が必要になる背景について説明。「クラウド時代に求められているのは、セキュアで効率的なID管理。IDがセキュリティーの新たな境界線になる」と指摘した。働き方が変わり、オフィス、カフェ、自宅など、働く場所の境界線がなくなり多様なワークプレイスでITが活用できる時代にもかかわらず、各アプリの認証・ID管理がバラバラで、管理者のみならずユーザーにも大きな負担となり、企業の働き方改革が浸透しない遠因となっている。また、アプリごとのID・パスワードの多重管理やアクセス管理、パスワードの使いまわしといった運用が、大きなセキュリティーリスクに発展する可能性もある。

 引間執行役員はLDAP Manager on SCCloudについて、「もともとLDAP Managerは統合ID管理の国内ナンバーワンシェア製品。エンドユーザーの利便性、システム管理者の負荷軽減、そしてセキュリティー向上を同時に実現し、企業のIT運用を大きく変えるポテンシャルがある。クラウドサービスとして標準化し、幅広い企業でご利用いただけるセキュアなIDプラットフォームを月額9万円から提供できるというのは大きな価値だと考えている」と手応えを語った。
 
エクスジェン・ネットワークス
江川淳一
代表取締役

 ソフトクリエイトの林社長は、「二要素認証などでセキュリティーを強化する動きも出てきているが、個別の認証ごとに二要素認証を行うのはユーザーへの負担が大きく、統合ID管理の基盤が入った後でなければ現実的な選択肢になり得ない」として、セキュリティー強化の基礎としても統合ID管理が重要になると指摘。また、エクスジェン・ネットワークスの江川代表取締役は、「LDAP Manager一本で実績を積んできたが、クラウドのニーズへの対応やより幅広い顧客層へのアプローチが課題になっていた。その意味で、ソフトクリエイトとの協業には大きな可能性を感じている」と話し、今回の協業が、より幅広い企業層に情報システム改革の基盤となり得るIDプラットフォームを提供していく契機になるとの期待を示した。
 
日本マイクロソフト
細井 智
業務執行役員
パートナー技術統括本部長

 一方、日本マイクロソフトの細井業務執行役員は、「米マイクロソフトのサイバーセキュリティー戦略においても、IDの重要性は非常に高い」とした上で、Azure ADとも連携するLDAP Manager on SCCloudのような統合ID管理サービスの登場は、「ユーザーの業務効率化とセキュリティー向上に大きな意味を持つ」と評価した。

 
統合ID管理についてのアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_softcreat2/