セキュリティ・BCP対策のセッションでは、日本ネットワークセキュリティ協会のセキュリティ市場調査ワーキンググループメンバーの礒部良輔氏(興安計装のICT技術サービス部門 Owlook営業部長)が登壇した。

 礒部氏は、「セキュリティ市場の未来を読む! 『2018年度国内情報セキュリティ市場調査報告』から見える市場動向とは?」と題して、今年6月に公表された2018年度国内情報セキュリティ市場調査の概要を紹介した。
 
礒部良輔
セキュリティ市場調査
ワーキンググループメンバー

 まず、礒部氏は大きなトピックとして、国内セキュリティ市場が昨年比14.6%増となり、初めて1兆円産業の仲間入りをしたことをあげた。「調査の分析対象企業数は691社で、そのセキュリティ事業の合計推定額から国内市場規模を推定した。その結果、セキュリティ産業の推定実績はツール市場が5674億円、サービス市場が5194億円で、合計1兆868億円となり、協会が調査を開始して以来、初めて1兆円を超えた。この数値は昨年の想定を上回るペースで業績が伸びたためと考えられる」とした。

 また、このほかのセキュリティ市場の傾向として、サービス事業者の増加、ツールとサービスの融合・充実が進んでいると指摘し、「専門的で高度なサービスを提供している事業者が増えて、より専門性をもった市場へと成熟していくと予測している」と語った。

 調査では大きく、サービスとツールに分けて集計しているが、17年度から18年度にかけての変化では、ツール分類でシステムセキュリティ管理製品を取り扱う企業が増加。サービス分類で運用管理サービス、教育、コンサルが増加している。

 礒部氏は、「ツールとサービスの市場規模についての長期的な傾向を振り返ると、06年から07年にかけて、ツール(パッケージ)化が増進したが、10年をピークにサービス寄りになってきている。現在は、ツールの進化とサービスの充実が融合することで、市場規模が押し上げられている」と説明した。

 ツール市場においては、コンテンツセキュリティ対策製品とアイデンティティ・アクセス管理製品の割合が多く、18年、19年もこの中分類を中心に伸びることが予測される。サービス市場においては、セキュリティ運用・管理の割合が47%と半分を占めており、18年、19年もこの分野の成長が見込めるとした。

 最後に、1兆円産業となったことに加えて、サービス事業者の増加、ツールとサービスの融合・充実が進んでいることから、セキュリティ事業を手掛けるベンダーがさらに「専門集団」として発展することに期待を寄せた。