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日本ヒューレット・パッカード 人手とコストをかけない インフラ運用改革 AI主導型運用の「HPE InfoSight」が これからのサーバー運用を変える

2020/04/02 09:00

週刊BCN 2020年03月30日vol.1819掲載


 ひとたびサーバーに障害が発生すると、原因調査から対応完了するまでにたくさんの人手とコストが必要になる――。IT管理者のこのような悩みを解決してくれるのが、クラウドとAIでIT運用を簡素化する「HPE InfoSight for servers」だ。その仕組みはどうなっているのか。ユーザー企業にはどのようなメリットがあるのか。SB C&Sの協力を得て、日本ヒューレット・パッカード(HPE)の阿部敬則氏に話を聞いた。

クラウド・AIのInfoSightを使って
サーバーの運用管理を自律化する

 IT管理者なら誰もが知っているように、サーバー障害への対応にはけっこうな手間がかかる。そもそも何が起きているのか状況を把握し、問題を特定するところから始める必要があるし、サポートセンターからログ提出を何回も求められることもしばしば。原因が判明したとしても、それだけで再発防止策が出来上がるわけではない。
 
阿部敬則
ハイブリッドIT事業統括 製品統括本部
コアサーバー製品部 カテゴリーマネージャー

 HPE InfoSight for serversは、2017年にHPEが買収したNimble Storageが2010年から提供しているサービスをサーバー製品へ拡張したものだ。「HPEが目指しているのは、クラウド型のAIを使ってサーバー監視・管理などのIT運用を簡素化し、自律化していくこと」と阿部氏は説明する。

 InfoSight for serversでは、HPE ProLiantサーバーで既にユーザーから定評のある、ハードウェアの詳細情報のログ自動収集を可能とするHPE Active Health System(AHS)およびHPE Integrated Lights-Out(iLO)と組み合わせて使う仕組みだ。これによって、最新世代のGen10サーバーのみならず、導入済み・稼働中のGen8, Gen9サーバーでも、環境を整えれば使用できることがポイントだ。
 

 従来の一般的な運用監視ツールと違って、InfoSightでは障害に対応するためのさまざまな処理がクラウド側で行われる。最初のステップであるObserving(監視)では、サーバーのハードウェアが発する稼働状況データをiLOおよびAHS経由でHPEのクラウドに取得。この段階でも、サーバーの稼働状況の詳細や、ファームウェアバージョン情報、保守・ワランティの残期間までを管理コンソール上で確認可能だ。

 さらに、次のLearning(学習)ステップでは、世界中のユーザーからInfoSightに集められた稼働状況データをAI手法で分析することによって、障害に至るパターンをInfoSightが自動的に発見・学習。その後、学習結果を基に、障害の予兆をユーザーに警告するPredicting(予測)、望まれる事前対策をユーザーに勧めるRecommending(推奨)、設定などを自動的に変更するActing(アクション)の各ステップで自律的なIT運用が実現されていく予定だ。
 

無償で使えるツールでありながら
トラブル解決の工数を削減できる

 阿部氏は、「お客様にとっての最大のメリットは、トラブル解決にかかる工数や負荷を大幅に削減できることにある」という。自動収集された稼働状況データを基にInfoSightが障害を特定・表示してくれるため、ユーザー企業のIT管理者がこれまでのようにベンダーのサポートセンターに何度も問い合わせをする必要はなく、ログをファイルにとったりログ記録を解読したりといった手間も発生しない、と説明する。管理者はInfoSightの画面から「ケース作成」をクリックすればいいだけだ。

 また、InfoSightはクラウドサービスとして提供されるので、インターネットプロキシのような通信中継サーバーを準備するだけで、社内に従来のような個別の監視サーバーを設置する必要はない。従来必要であった監視ソフトのライセンスや、監視サーバー自身の監視から脱却できるため、ITコストと運用工数を引き下げる効果が期待できる。

 さらに、InfoSightの監視コンソールはウェブベースになっているので、インターネットが使えるところであれば「いつでもどこでもシステムの“見える化”」が可能。オフィス内のPCや大型モニターはもちろんのこと、出張先や自宅でスマートフォンやタブレット端末を使ってサーバーの稼働状況をリモートチェックすることもできるわけだ。そして、サーバー運用にInfoSightを活用するための特別な契約は不要、無償で活用することができる。これは大きなメリットといえるだろう。

 販売先のユーザー企業から承諾を得ることができれば、サーバーを販売したSIerや販売店もInfoSightにアクセスすることができる。「販売パートナー様の中には、お客様に納めたサーバーの管理をMicrosoft Excelで行っているところも多いと聞いている。InfoSightの活用は、このようなパートナー様にとっても大幅な工数削減につながるだろう」と阿部氏。限られたマンパワーで顧客満足度を高めるためにも、HPE InfoSightは十分な働きをすることだろう。
 
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外部リンク

日本ヒューレット・パッカード=https://www.hpe.com/jp/ja/